安保法制をめぐる国会の委員会に、
与党推薦も含め、呼ばれた3人の憲法学者が、
全員違憲だと表明した。
与党からは、まさか、という反応だが、
その反応こそまさかであり、
憲法学者を呼ぶこと自体、墓穴を掘ることになることは、
火を見るより明らかだった。
憲法学者の中にも改憲論者・護憲論者と分かれるが、
現在の憲法に照らし合わせ、違憲かどうか、と聞かれれば、
独自の解釈をもたない限り、ほぼ全員が同じ見解になるのは、
当然のこととも言える。
今まで合憲としてきた個別的自衛権は、
自国がやられそうになったら防御するという意味において、
憲法第9条第2項が禁じる、国際紛争を解決する手段のための
軍隊をもつこととは、全く別の話である。
集団的自衛権でも、同盟国などに窮迫の事態が起きた際、
専守防衛に徹し、撃退だけに限っているのなら、
憲法の文言に違反しないと言えなくはないだろう。
しかし今回の法制を見れば、同盟国が他国の領土に
入っていくことを想定しており、
違憲見解となるのは、ごくごく自然な展開である。
安倍政権は、石油は国民の生命線だとして、
国民の生命と財産を守ることになるから、
石油船の安全のため、機雷掃海が必要な場合は、
合憲だとしている。
しかし、公海上の機雷掃海は、戦争が終わっていれば、
敵も味方もないが、戦争中であれば、
仕掛けた方からすれば敵対行為である。
まさに紛争を解決する手段となってしまう。
戦争当事国の領土・領土・領空に入ることが、
違憲かと問われれば、いいえという答えは、
どう考えても無理がある。
安倍政権は、戦後70年談話でアメリカの評価を得たいため、
アメリカの要求を飲もうとしているのかどうか不明だが、
何とか今の国会で成立させたい意向だ。
我が国や周辺の東南アジアでの中国の動きもある中、
集団的自衛権を行使できるようにしておくことは必要だ。
しかし、それよりさらに活動範囲が広がることに、
国民の理解が得られていない中、
段階的に広げることも考えねばならないのではないか。
少なくとも今のままでは、安倍政権の暴走という見方が、
一部の下ではなく現実になってしまうという、
国民の不安は払しょくできない。
それも踏まえて、よくよく再度、
法制の中身を考えるべきではないだろうか。