Column155.日本がカギとなる、国際宇宙ステーションの今後。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

日本も参画している国際宇宙ステーションが、
建設から時間が経過し老朽化していること、
地球上と桁違いに太陽からの電磁波の影響を強く受けること、
そして各国の思惑の違いから、その存続が危ぶまれている。


宇宙ステーションが、構想段階どころか全くの夢物語の頃は、
あたかも永遠に人間が宇宙ステーションに
永住できるかもしれないかのように語られていた。


その実現へ第一歩が、今の国際宇宙ステーションである。


各国の政治的な思惑は脇に置いて、
そもそも建築物は老朽化するものであることを踏まえれば、
市や町が出来るほどの宇宙ステーションは、
最初から人類が住める代物ではなかった。


加えて太陽からの電磁波の影響が大きいことが実証され、
10人程度しか住めない宇宙ステーションでさえ、
2020年の運用終了が検討されている。


その後は財政の問題もあり、新たな建設計画はない。


夢物語の段階で、既に太陽からの電磁波が
地球上より過酷であること、そもそも建築物であることだけでも、
人類が移住すること等まず不可能であったことは、
冷静に考えれば明らかであった。


そレを誰よりも当たり前のように分かるはずの
科学者たちが夢を追って、第一歩を実現させたこと自体は、
あらゆる実験ができたことだけで十分に成果はあった。


それに反比例するがごとく人類移住の話は
今は全く出てこなくなった。その間に老朽化も進んだ。


その中で、宇宙ステーションの一部を構成する、
日本の実験棟「きぼう」が、まだまだ解明されていない、
宇宙空間を構成する全ての物質の全容の解明に乗り出そうとしている。


私たちの住む宇宙は、私たち人間が目にし
触れることのできる物質以外にも何らかの物質が存在している、
と言われている。いわゆる「ダークマター」呼ばれているものだ。
直訳すると「暗黒物質」となる。


そのダークマターがないと説明できない現象があり、
理論上ダークマター自体の存在は確実だが、確認がまだされていない。


何せ「ダーク」というだけあり、人間の目では見えないのだから。
(人間が地球上で暮らすには、見える必要がないから
 そのように進化した、と主張する説もある。)


例えれば、太陽や自分自身以外の物質の存在を
知らない生物が、明るいところと暗い所を行き来する際、
その違いはわかるがなぜ暗くなるか、


その光をさえぎる物質の存在が分からない、
と言うことに似ていると言えるだろうか。


そのダークマターこそが、宇宙誕生の鍵を握るのではないか、
と主張する科学者もいる。


人類移住の夢は潰えても、
それよりはるかに壮大な宇宙の誕生のなぞに迫る役目を担う
いい意味での曲がり角に、国際宇宙ステーションは来ている。


そしてそれを担うのは、我が国である。