アジアインフラ投資銀行(AIIB)創設メンバーが、
57カ国と決まり、日本とアメリカは参加しなかった。
イギリスなどG7のうち4カ国が参加したことで、
日米の不参加は戦略ミスではないかという声が出ている。
果たしてそうだろうか。
米中の経済関係は、日本人の想像をはるかに超え、
結び付きは非常に強い。日米より緊密、との見方もある。
そのアメリカが参加しないのだから、
メリットがないと判断したからに他ならない。
日本にとっても、巨額の支出を求められる割には、
発言権がなく、運営も不透明である以上、
既存のアジア開発銀行で十分であるし、
ADB自体の日本企業の関与率も5%を切っている。
それを考えれば、AIIBに参加しないデメリットは小さい。
中国は、巨額の支出が見込める日本に参加を促してきたのは、
資金がないと融資案件が増えないからだ。
実際の発足は6月末なのに、
3月で区切って創設メンバーを誇張したり、一部では、
副総裁のイスを日本に打診しているとの報道もあった。
日本国内の識者の間でも、ありていな言い方をすれば、
としては、”日本にメリットがあると分かれば
参加してやってもいいぜ”くらいの様子見で良い、との見方が大勢だ。
戦後70年の節目の年、首相談話も注目される。
否応なしに、今年の東アジアにおける主役は日本だ。
その立場を逆手にとって、存在感を高めるのが重要である。