Column151.AIIB、焦っているのは中国だ。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)創設メンバーが、
57カ国と決まり、日本とアメリカは参加しなかった。


イギリスなどG7のうち4カ国が参加したことで、
日米の不参加は戦略ミスではないかという声が出ている。


果たしてそうだろうか。


米中の経済関係は、日本人の想像をはるかに超え、
結び付きは非常に強い。日米より緊密、との見方もある。


そのアメリカが参加しないのだから、
メリットがないと判断したからに他ならない。


日本にとっても、巨額の支出を求められる割には、
発言権がなく、運営も不透明である以上、
既存のアジア開発銀行で十分であるし、
ADB自体の日本企業の関与率も5%を切っている。


それを考えれば、AIIBに参加しないデメリットは小さい。


中国は、巨額の支出が見込める日本に参加を促してきたのは、
資金がないと融資案件が増えないからだ。


実際の発足は6月末なのに、
3月で区切って創設メンバーを誇張したり、一部では、
副総裁のイスを日本に打診しているとの報道もあった。


日本国内の識者の間でも、ありていな言い方をすれば、
としては、”日本にメリットがあると分かれば
参加してやってもいいぜ”くらいの様子見で良い、との見方が大勢だ。


戦後70年の節目の年、首相談話も注目される。
否応なしに、今年の東アジアにおける主役は日本だ。
その立場を逆手にとって、存在感を高めるのが重要である。