Column146.北陸新幹線、地元にとっての劇薬か、麻薬か。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

きょう、北陸新幹線の長野・金沢間が開業した。
九州新幹線鹿児島ルート全線開業以来、
4年ぶりの開業に、明るいニュースとなった。


新しくターミナルとなった金沢駅のある金沢市では、
早くも、土地の価格が15%超も上昇するなど、
経済効果が出ているように見える。


注目を集め、明るい話題ばかりかと思いきや、
聞こえてくるのは、負の影響も少なくない。


まずは、終点の2つ前となる富山だ。
終点が石川県の金沢になることで、
どうしても霞んでしまう。


在来線の特急がひっきりなしに往来していた、
大阪方面との結びつきが強く、
新幹線開業で、逆に関西方面とは不便になった。


きょう、ターミナルの地位を金沢に譲った長野では、
1997年の開業直後から東京の日帰り圏となったことで、
宿泊客が減り、負の影響の方も大きかった。


新潟県に至っては、いわゆる速達「のぞみ」タイプの
「かがやき」の停車がないことから、関心そのものが薄い。
むしろ、上越新幹線のダイヤへの、
将来的な影響を心配する声が聞かれる。


事実、東北新幹線の暫定ターミナルだった八戸は、
ほとんど経済効果はなく、劇薬や麻薬にすらならなかった、
という声が聞かれる。


これまでの新幹線開業も、地元への波及効果を、
如何に大きくしていくか、という視点だけだった。


しかし、今回の開業では少し様相が違う。


まず、ターミナルの地位を譲った長野も、
「長野新幹線」野通商が無くなることを逆手にとり、
北陸方面からの観光客の誘致に動き、
結果、首都圏からの誘致にもつながっている。


石川県も、金沢という観光資源に頼ることなく、
能登半島も含めた全圏でのPRをしている。


間に挟まれた富山・新潟も、石川・長野と
連携して、全体的に盛り上げていこうとし、
石川・長野もそれに呼応している。


もっといえば、北陸新幹線の実質的起点である、
高崎市のある群馬や、これまで首都圏から
北陸地方の通過点であった岐阜県・滋賀県、


それに今回取り残された感のある福井県も、
一体となってPRしている。


来年開業予定の北海道新幹線も、
現在のターミナルたる青森と、
新しいターミナルとなる函館が、
一体的な取り組みをしている。


それどころか東北新幹線新青森延伸時に、
3ヶ月後に全通を控えた九州新幹線の終点・鹿児島市から、
新青森駅開業に青森市と共同でPRしていた。


この地方連携こそが、日本を地盤沈下を食い止める
大きなカギになるのではないだろうか。


人の集まるところにはさらに人が集まる。
三大都市圏への人口集中が、典型例だろう。


各地方ごとが奪い合うのではなく、
こっちにきたらあっちにも、という形で連携されれば、
人の滞在時間が長くなり、結果人が集まる。


特にこれから外国人観光客を誘致するなら、
点での訪問ではなく、線での訪問が、
長くいてもらえる重要なカギとなる。


三大都市圏への人口集中で、地方は衰退し、
等の最大都市圏は過密で疲弊し、何もいいことはない。


三大都市圏以外の地方が連携して魅力を高めれば、
人口集中も緩み、安倍政権の地方創生につながり、
結果日本全体の経済発展につながる。


今回の開業で、手を取り合って競走していく、という形が、
少しずつ見えてきた。


旧来のハード最優先ではなく、ハードの後のソフトパワーの
発展を図っていくような取り組みを期待したい。