国際テロ組織・「イラクとシリアのイスラム国」、
通称イスラム国・略称ISIS(ISIL)が、
支配地域に入った二人の日本人を人質にとってから、
既に1週間以上経過した。
先週、2人のうち1人が殺されたとみられる画像を、
もう1人が持つ静止画が、そのもう1人の音声付で、
公開された。
その内容が、ヨルダンでテロを起こし死刑となった囚人と、
人質の交換とともに、同じくISILにとらわれている、
ヨルダン空軍パイロットの殺害に言及した。
ここで事件の構図が大きく変わった。
ISILの交渉相手が、日本からヨルダンとなったことだ。
死刑囚とパイロット、いずれも、ヨルダン政府の管理下にある。
ISILが求める釈放は、ヨルダン政府が決めることで、
日本政府が口出すことは、内政干渉、犯罪者釈放となり、
国際社会から到底理解は得られない。
ヨルダン政府は、まずパイロットとの交換を求めている。
日本政府は、黙って推移を見守るしかなくなったように思える。
しかしそうではないと考える。
事件発生当初、日本が協力を求めるべき先として、
中東情勢を知る識者からは、トルコに協力を
求めるべきだと口をそろえていた。
有数の親日国であるだけでなく、ISILにとらわれた
トルコ人49人を無事解放に導いている実績がある。
なのに日本政府は、ヨルダンへの協力要請を優先した。
それがそもそも間違いだったという指摘もある。
もしかしたら表に出していないだけで、
トルコとの協力もしっかりしているのかもしれない。
しかし最後の通告から既に丸3日連絡がない。
一体ISILに何が起きているのか、
人質は生きているのか、そのような情報を手に入れることが、
問題解決への糸口となるのではないだろうか。
いずれにせよ、見守るだけでなく、
打てるべき手は打ちつくすことが最善と思われる。
何より人質の無事を信じたい。