2018年、アジアで長野以来20年ぶりとなる冬季五輪が
韓国・平昌で、開催される。
その平昌では、今年のソチ冬季五輪以降、
準備の遅れが指摘されている。
そこに、今週開催された、オリンピックに関する
全ての権限を掌握する国際オリンピック委員会(IOC)の
総会において、一部競技の隣国開催が可能であることが、
改めて確認された。同時に、夏季五輪でも可能になった。
これを受けて、前々からくすぶっていた、
一部競技の長野開催が、韓国国内でも、
それまでの否定的見解から、容認へ変わりつつある。
IOC総会の前まで、平昌五輪組織委員会は、
一部競技の国外開催はあり得ない、と言う立場を堅持していた。
ところが、IOC総会決議後は一転し、
国外での一部開催を容認する姿勢になった。
韓国の一部メディアでは、一部競技の長野開催を、
既に実現可能性が高いかのような報道も見られる。
さらに、「平昌五輪の一部競技長野開催と同時に、
東京五輪の一部競技の韓国開催」という報道もなされた。
東京五輪の一部韓国開催で、
平等な立場を守りたいのだろう。
しかしその日本では、全くと言ってよいほど、
それを受け入れるどころか、俎上にすら上っていない。
東京都の舛添知事が、「その都市が開催できるとして
立候補したのだから、分際など無い。」と
否定的反応を示したのが、唯一の例だ。
具体的な想定となっている長野からは、何も聞こえない。
日本オリンピック委員会は「何の話もない。」と素っ気ない。
東京五輪は、確かに一部競技施設の計画変更が
取りざたされている。
しかし平昌五輪とは違い、
建設すら危うい状況とは大違いである。
開催することに、何らの障害はない。
(ただしそれの日本国内の生活への影響とは別の話である。)
2002年、日韓共催となったサッカーワールドカップでの、
開催地決定から実際の開催までの
韓国の動きや評判は、改めて指摘するまでもない。
とにかく、何が何でも自分たちが日本より先である、
ということを全てにおいて主張してきたことは、
横浜で、日本組織委員会のボランティアをしていた筆者は、
いやというほど見ている。
ただ、すべてにおいて主張、とはいいつつ、
韓国の首都ソウルは、日本の首都東京の周辺都市である横浜に、
決勝戦の開催地を、有無を言わせず譲らされた。
それどころか、決勝戦の開催地を争ったのは、
もう一つの東京の周辺都市、さいたま市である。
(もっとも東京は、開催都市にもなれなかったが・・・)
つまり、ソウルは横浜より格下という位置づけだった。
そしてその事実は、W杯が続く限り、永遠に記録に残る。
韓国としては、平昌での開催危機を奇禍として
長野を平昌の付属開催地にしたいのだろう。
同時に、東京で開催しきれない分を開催してやろう、
という気になりたいのであろう。
しかし韓国の方々に申し上げたい、そんな心配は稀有だと。
単独で開催できるとIOC委員が判断したからこそ、
平昌が選ばれたのである。出来ないわけがない。
東京五輪の一部開催ど、東京の側からすれば、
そんな無礼な負担のお願いはできないし、
東京だけで十分開催できる。
お互い、五輪を単独で成功できる、という力を、
世界に思う存分見せつけようではないか。
今回のIOCの決定は決定として、
韓国は、仁川アジア大会での教訓を、
是非、平昌で活かしてほしい。