Column128.米中間選挙結果、世界混迷拍車の引き金か。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

今週は、先日投開票された、
アメリカの中間選挙を取り上げます。



アメリカの国政選挙は、
2年任期の下院の全議席と、6年任期の上院の1/3が、
大統領選挙の年も含め、偶数年に改選される。



このうち、大統領選挙の間の年に行われる選挙を、
文字通り中間選挙という。



同時に、全50州のうち36州の知事選も行われ、
勝った州では、2年後の大統領選挙の選挙人選出おいて、
知事が一定の影響力を持つことから、
有利になるともいわれている。



先日の中間選挙では、オバマ大統領与党の民主党が、
下院だけでなく、上院も野党共和党に
過半数を握られてしまった。



州知事選でも、非改選14州を含め、
共和党が過半数を獲得した。



2期8年の大統領の最後の2年間は、
もう次がないことから求心力を失い、
ただでさえ「レームダック」と呼ばれる。



それが、議会の上下院双方を野党に握られたら、
そもそも制度上大統領に法案提出権がないことから、
ますます主導権を野党の議会に取られてしまい、
二進も三進も行かなくなる。



なぜここまで民主党は大敗したのか。
一番大きな原因は、オバマ大統領の不人気である。



オバマ大統領は、世界の紛争に介入し泥沼化してしまった
ブッシュ前政権の反省をもとに、イラク撤退など、
どちらかというと、介入を避ける動きをしてきた。



介入により、アメリカの恨みを買ったからである。



しかし地域紛争やテロは、アメリカ軍の撤退で、
逆に勢力を伸ばしてしまった。「イスラム国」は、
まさにその典型だ。



その対応が後手後手に回ってしまい、批判を浴び、
結果オバマ政権を追いつめることになってしまった。



野党共和党は、徹底的にそこを攻撃し、
民主党から議会を奪還した。



テロや地域紛争に立ち向かうには、
強いリーダーシップが必要だ。



しかしそのリーダー的地位にあるアメリカの大統領が、
リーダーシップを発揮できないことになると、
ますます混迷に拍車がかかってしまう。



ならば野党共和党に何か策はあるのか。
有権者からは、「批判ばかりで対案を出さない。」
と批判されているだけでなく、穏健派と、
茶会と呼ばれる強硬派の内部対立は深刻だ。



勝った共和党も、内々では分裂している。
党内事情では民主党に比べておぼつかない。



これらの混迷にストップをかけるには、
アメリカがまとまらなくてはいけない。



その意味で、今回の民主党敗北は、
オバマ大統領にとって、逆にチャンスではないか。



否応なしに共和党との対話を重ねなければならない。
逆手にとって、共和党の議会指導者と、
意思疎通を図れる大きなチャンスである。



共和党も、なまじ主導権を握ったということは、
なんでもオバマ反対、だけであれば、

「対案を出さない」批判に拍車がかかることから、

逆に慎重にならざるを得ないだろう。
ここに、お互いの接点を見いだせるチャンスである。



不介入で済む時代は終わった
アメリカ自身のためにも、ここは1つになって、
強いアメリカを見せる最大のチャンスにしてほしい。



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