今週は、拉致問題を取り上げます。
北朝鮮政府と拉致の問題について協議するため、
日本政府の外交団が、ピョンヤンを訪問した。
相手からは、誰がでてくるか注目されたが、
今回の調査の責任者である徐大河氏がでてきた。
徐氏は、金正恩第一書記の叔父である、
張成沢氏を粛清に動いた、影の実力者とされている。
その徐氏が出てきたことは、北朝鮮側も、
日朝間の懸案事項を解決したい、という
意思をもっているとみられている。
それだけでなく、表に出てこなかった徐氏をもって、
笑顔で「歓迎」の言葉を出したことは、
今までの経緯からすれば、考えられないことだ。
事実、拉致問題以外の事項については、
具体的な話が出て進展があったようだ。
しかし、拉致問題については、
調査を続行する、にとどまるのみで、
何らの進展がなかったことは、
安倍首相に会見で明らかにした通りだ。
拉致被害者の中には、複数の証言から、
金ファミリーにも深く関与させられた人もいるという。
国家の秘密を知ってしまった者は、
返したくても返せない、というジレンマを
北朝鮮自身が抱えてしまっているということになる。
しかも拉致被害者は、日本人ではない。
アジアや欧州にも多数いる。
それが明らかになったら、政権の基盤が大きく揺らぐ。
その上、今まで後ろ盾のはずだった中国は、
見放すどころか、見捨ててさえいるようだ。
すがるのは日本しかいない一方、
日本との関係改善には、拉致問題の解決しかない。
こうなってしまったら手詰まりである。
であれば日本側はどう動けばよいか。
解決すればどれだけの援助が得られるかと、
今の政権体制を揺るがさないようにという示唆を
しておくのである。(履行は別として。)
具体的に何を用意するかと何を求め何を求めないか、
その点を明確にし、後は相手の判断を待つのみである。
当然その期限は区切る。そしてその期限が過ぎたら、
これまた具体的に、これまでにない大きな制裁を
用意して待っていることも。
それとは別に、今の政権はどの道崩れていくだろう。
帰国させられる権限者に、なんらかの逃げ道を
用意しておくことも忘れてはならない。
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