今週は、たかの友梨ビューティクリニックの
労働基準法違反を取り上げます。
残業代不払い、休憩時間非付与など、
数々の労働基準法違反を繰り返していた
たかの友梨ビューティクリニックを運営する
株式会社不二ビューティの従業員が、
その実態を労働基準監督署に告発した。
その告発に対して代表取締役である高野友梨氏が、
直接、告発した従業員を、2時間半にもわたり質問し、
「法律どおりにやったらサービス業は上昇しない」
「残業代といって改めて払わない」と、
法令違反を積極的に行うことが正しいことかの様な発言もあった。
確かに、今の労働基準法は、
会社の健全経営の支障になっている条項もあるのも事実だ。
そしてそれが、労働者にとっての不利益に
なっているケースも多々あり、改正が望まれている。
しかしどんな法令であろうと、遵守は当然である上、
今回の労働基準法違反行為は、明らかに労働者に不利益である。
そして何より、労働者にとっての不利益は、
長期的に見て会社にとっての不利益という、
経営者として当たり前の視点が欠けていることも露呈した。
高野氏がいみじくも言った通り、同社はサービス業である。
同社の商品は、従業員が顧客に行うサービスである。
つまり、サービスを直接享受するのは、一般消費者である。
その従業員に、休憩も与えず、給料も契約通り支払わない、
従業員が、まともな気分で顧客に接することができるだろうか。
そんな気分の従業員に接したいとする顧客はいるだろうか。
そうなったら、顧客が離れて売り上げが減り、
それこそ、「つぶれて困る」のではないだろうか。
法令云々の前に、雇用契約も破っている。
約束を破ることを正しい、としている。
加えて前述の通り、法令違反を是認するなど、
もはや反社会的勢力と言われても、抗弁はできないだろう。
ネットの書き込みには、調べもせずに、
「さぼっている従業員が、過激な組合と結託した。」
などとし、高野氏を擁護するものもある。
とんでもないことである。
仮にそれが事実であったとしても、
高野氏の発言や同社の行為が法令違反であることに、
何の揺るぎもない。
それを支持するのは、
反社会的行為を支持するのと同じなのである。
ましてやサボリが虚偽だったら、名誉棄損という
これまた法令違反の反社会的行為なのである。
そして何より、外部で一番迷惑をこうむるのは、
今回のことで、”経営者”というだけで同一視されかねない、
健全経営のために法令順守に努めている他の経営者である。
厚生労働省は、今回のことを一罰百戒に終わらせず、
法令違反は反社会的行為であることを徹底してもらいたい。
そうすれば、顧客に健全なサービスを提供できる、
健全な企業だけが生き残り、正当な競争のもとで、
競争力がつき、経済再生に大きく資するのだから。
今週もお読みいただき、ありがとうございました。
この手の問題は、直接の被害者である
労働者だけに目が行きがちですが、
その裏には、他の経営者など大勢の潜在的被害者がいることも、
これまた事実だと感じています。
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