Column98.小保方氏、実は不正を認めてます。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

今週は、これを外すわけにはいかないでしょう。




理化学研究所(理研)の小保方晴子・ユニットリーダーが、
ネーチャーに載せたSTAP細胞に関する論文の資料に
不正があったとの調査結果を出した理研に対し、
不服申し立てをし、その説明の記者会見を開いた。



記者会見では、自身の未熟さによる影響の大きさに対する謝罪と、
今後も研究を続けていきたいという意思を明確にし、
理研や他者に対する不満を述べなかったことと、
理研の調査のずさんさが改めて明らかになったこととも併せ、
世間一般の、小保方氏への同情が集まっている。




筆者は、記者会見の様子を全て見ていたが、
これらの態度から、全て弁護士との綿密な打ち合わせが
あったことが伺える。



その一方で、小保方氏が主張するSTAP細胞の存在の有無については、
「ある」という主張だけでなんらの根拠も示されず、
疑惑は逆に深まったように感じる。



記者会見の性質上、記者の質問に答えるので、
記者が、不利な質問をしなければ、答えることはない。

つまり、記者の手腕が問われるのである。



集まった記者から数多くの質問が出たが、
小保方氏が質問を利用して自身に有利な事実まで回答しなかったことや
(それはそれで真摯な姿勢と同情を集めたが)
司会の三木秀夫弁護士の質問の遮りなどで、
深く突っ込めた質問は、数えるほどだった。



中には、持論を展開し論戦を吹っ掛ける記者もいて、
小保方氏への同情を一層集めることにもなった。



STAP細胞存在の根拠を会見で示せないのなら、
”後日どういう形で示してもらえますか”
という質問も出なかった。



この記者の攻めあぐねた会見に、
テレビ朝日の川村晃司コメンテーターは、
その突っ込み不足を嘆く発言をしていた。



その例の1つが「悪意」だ。



ここでいう悪意とは、2つの意味が出てくる。



1つは道徳的な意味で、文字通り「悪いこと」である。
今回の事例では「資料の捏造・改ざんは、虚偽・詐意が
あったかどうか」ということになる。



もう1つは、法律などの規則に用いられる独特の言い回しで、
「故意」ということを意味する。
この「故意」に、道徳的な「悪意」の有無は関係ない。
全く別の意味である。



今回の事例では、虚偽・詐意の有無に関係なく
「意図をもって違う資料を載せた」ということになる。



小保方氏は、資料の不備及びその責任は認めつつ、
「そこに悪意はなく、悪意がなければ不正ではない、
 という理研の規定に従えば、今回は不正ではない。」
と、不服申し立てをしたことである。



理研の規定であることから規則なので、ここでは、
「資料を取り違えたことが”故意”だったかどうか」
ということになる。



この「悪意」の捉え方について、追及される場面があったが、
小保方氏は、何を聞かれているのか理解できておらず、
どう答えてよいか戸惑っていた。



筆者はこの時、

「小保方氏は、悪意の意味を、道徳的な概念しか知らず、
 ”故意”という全く別の意味も持っていて、
 故意の有無が理研の規則に抵触するかどうかが問題ということを、
 全く理解していないのではないか。」

と感じた。



それを説明した上で再度質問をすべきだったが、
聞いた記者もそう感じたのだろうが、
小保方氏の戸惑いに、記者も戸惑って、
うまく説明することができなかった。



ただ、小保方氏は冒頭で、資料の切り貼りについては、
「見易くするため、加工した」事ははっきり認めており、
ここは”故意”であることが明確になった。



規則に当てはめれば、この一点をもって、不正ということになる。



ただ、切り貼りをした部分は、STAP細胞の存在の有無に影響しない個所で、
STAP細胞でない部分が見づらいので、該当部分を明るく補正して
上から同じもの切り貼りをしたにすぎない、ということは、
小保方氏に批判的な科学者からも、指摘されている。



しかし世間の関心は、捏造・改ざんではなく、
STAP細胞が存在するかどうかである。



この点については、小保方氏に同情する人たちの中でも、
明確な根拠がなかったことで、疑問を持つ人が多い。



小保方氏が、この疑義を晴らすのであれば、
小保方氏がいると主張する自分以外に成功した研究者の
了解をとって公開すること、この一点に尽きるだろう。



その研究者も、本当に成功したら、
大きな功績になるわけで、拒否する理由はないはずだ。



記者からその点を指摘された小保方氏は、
最初は戸惑いつつも、そういう方法もあると知って、
安どの表情を浮かべていた。



すかさず三木弁護士が「貴重なご意見ありがとうございます。」
と制し、次の質問に移した。



正直、そういう方法もあることすら思いつかない小保方氏の、
いわゆる一般の「人」としての資質があまりに未熟であることと、
この弁護士の制し方から、その未熟さを逆手にとるなど

同情を集めることに長けていて、今回も成功したことが、
実は疑惑解明にはほとんど意味をなさなかったことが、
(それを狙ったと考えられるが)
それぞれ浮き彫りになった記者会見となった。



弁護士サイドとしては、小保方氏を守ることに大成功したともいえる。
研究者として続けられる可能性も出てきた。



ただし、続けられるかどうかは、
STAP細胞の存在が発表時点で真正なものであったことが、
客観的に証明されることが大前提である。




今週もお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、この記者会見、どのように捉えましたか。