Column88.STAP細胞報道に見る、報道と受け手の劣化の恐れ。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

きょうは、先日発表された、
STAP細胞の報道について取り上げます。



理研発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子氏が、
iPS細胞を超えると言われる、STAP細胞と呼ばれる、
万能細胞を作り出すことに成功した、と発表した。



小保方氏によると、まだまだ研究を重ねなければならないが、
あらゆる細胞に変化できる能力は、iPS細胞を超えるという。



一日も早く実用化に向けて、
難病で苦しむ多くの人を救うことにつなげてほしい。



それとは別に、この報道で、腑に落ちないことがある。



それは、STAP細胞が何か、どういう影響を与えるかという、
肝心なことは、最初の方でサラっとしか触れずに、
小保方氏の容姿、人となりなど、関係ないことばかりが、
クローズアップされてしまっていることだ。



本人も、ついに昨日、それを止めてほしい声明を、
報道機関に対して出した。
http://www.cdb.riken.jp/crp/news2014.1.31_2.html



確かに、テレビ報道で最初に知った時、
「こんな若い女性なんだ。とは感じた。



筆者も一定の年齢を経た男性、
恥ずかしながら、そういう感想を
最初に持ってしまったのは事実である。



しかし、iPSを超えるとはどういうことなのか、
本当に実用化できるのか、という疑問が出てきたが、
それにはほとんど触れずじまいだった。



そのあとに続くのは、細胞についてではなく
小保方氏のプライベートなことばかりである。



筆者は、テレビがその話題になるたびに、
チャンネルを変えてしまっていた。



STAP細胞に関することは、テレビで聞かれずじまいで、
新聞やネットに頼るしかなかった。



世間の関心は、そこにしか行かないのか。
世の男性は、どうなっているのか。
それとも、マスコミが勘違いしているのか。



世の関心がそればかりにしか行かないのなら、
それにも落胆するが、
マスコミの勘違いの方が大きそうだ。



なぜなら、そのテレビ報道に出演した
”女性”記者の最後の発言が以下の通りだったからだ。



「開発者が私に近い年齢で、しかも外見や研究室の模様が、
 ガーリー(少女っぽい)で、かわいらしんです。」



報道がここまで劣化してしまうと、
受け手の方も、冷静に、いろんな視点で
報道を見つめることが求められている。



ただ、上記の声明のHPを見る限り、
小保方氏の”ガーリー”の面が強調されるのは、
自らそれを助長してしまっている一面もある。



小保方氏も、公に出るということは、
自身にもそういう責任が生まれるということを、
肝に銘じた方が良い、ということを
痛感することになるだろう。




今週もお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、どのように感じましたか