今週は、開幕4週間を切ったソチ五輪を取り上げます。
ロシアで34年ぶりとなるオリンピックが、
2月7日、ソチで開幕する。
ソチは、ロシア有数のリゾート地で、
冬季五輪開催地としては比較的温暖で、
プーチン大統領も、長期休暇を過ごすところである。
そのソチで、1980年のモスクワ五輪以来の、
旧ソ連を通じてのオリンピック開催となるだけに、
プーチン大統領も国家の威信をかけている。
実はソチは、1998年の長野五輪の有力なライバルだった。
しかし、開催地決定の91年に、ソ連が崩壊し、
立候補どころではなくなった苦い過去がある。
しかもモスクワ五輪も、当時の冷戦の影響を受けて、
アメリカや日本など西側各国に参加をボイコットされた。
それだけに、ロシアの意気込みは並々ならぬものがあるが、
ソチのすぐ近くに、ロシア中央政府と対立を続けている、
チェチェン共和国がある。
チェチェンは、冷戦終結前後から、
ロシア中央政府と内戦を繰り返し、
今も出身者によるテロが続いている。
五輪開催が近くなり、
そのチェチェンがらみのテロが再び増えてきている。
プーチン政権は、武力をもって徹底的に封じ込める構えだが、
テロは、まさに神出鬼没であり、予断を許さない。
2
1世紀になって、五輪の開会式に、
世界の首脳が出席するのが慣例となってきたが、
欧米各国は人権問題を、日本の安倍首相は、
開会式が北方領土の日という理由で参加しないことになっている。
実はこれは表向きで、テロに
巻き込まれることを恐れているのではないか。
不参加に対して、ロシアはほとんど反応を示していない。
もしかしたら、ロシア側から、不参加を
促したのではないかとまで勘ぐってしまう。
選手団はそうはいかないと思われるだろうが、
これからの4週間の状況で、
参加を取りやめるところもあるかもしれない。
日本選手団も、今回は有力選手を多く抱え、
長野以来のメダルラッシュが期待されているが、
その期待に隠れ、参加に関して
気をもんでいることはあまり伝えられていない。
テロを起こす側は、五輪を中止に追い込むことを目的としている。
一番手っ取り早いのは、選手団に来させないことだ。
となると、五輪中より五輪前の方が効果的だ。
オーバーでも何でもなく、浅田真央選手が出場できない、
という事態も出てくることも、考えねばならない。
そうならないよう、ロシア側には一層の警備を願うしかない。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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