今回は、昨日成立した特定秘密保護法案を取り上げます。
昨日、参議院本会議で、特定秘密保護法案が成立した。
今国会の会期末ギリギリだった。
今回、与党は今国会での成立にこだわった。
会期末を迎える中、批判を受けた結果、
矢継ぎ早に、第三者機関の設置など策を追加したが、
整理されぬまま成立してしまった感が否めない。
なぜこんなに急いだか、理由は単純明快で、
アメリカとの間で外交・防衛情報を交換する際、
アメリカ側から提供された情報を守る仕組みを作ることを、
アメリカから急がされたからである。
それを優先させるために、それら以外の秘密情報の特定については、
それを取り扱う官僚自身で無制限に決められることになってしまった。
時間があれば、秘密にすべきと決定する政府外機関の設置や
秘密にする基準、秘密を解く期間などもろもろの運用面の整備ができ、
国民の知る権利に対する保障もなされたであろう。
しかし、アメリカに迫られ時間がない中、
とりあえず、自分たちで何でも秘密にできるようにしておけば、
取り扱う側=官僚としては、ひとまず安心できるように思える。
だが、安心できるようで、実はそれが官僚の首を、
自ら絞めることになることに、官僚は気づいていないのだろうか。
想像してみていただきたい、自身が官僚だとして。
どんな情報でも秘密にできるのであれば、
人間の性として、責任を問われたくないから、
とりあえず秘密にしてしまうのではないか。
そうなると、どんどん秘密事項が増えてしまう。
官僚組織の中でも、それを管理しきれなくなってしまう。
実際に取り締まる警察も、一見自分たちの組織拡大、
権限増大になり、歓迎すべきことのように見えるが、
本来秘密にしなくてもよいものまで監視をせねばならず、
単に人員が必要なだけ、という事態に陥り、
組織の管理が行き届かなくなる恐れがある。
どれがどのように秘密なのか訳が分からなくなって、
逆に漏えいかどうかも判断できず、挙句、
絶対に守らねばならない秘密が漏れてしまった、
というような事態を招きかねない。
この法律の施行は、先に書いた通り、一年先まで伸ばせる。
法案成立でアメリカの信頼はつなぎとめたのだから、
次の国会で、その修正をきちっとやって、
官僚機構の正常運営、国民の信頼を得られるような中身に、
きちっと修正することを、安倍政権に望みたい。
今回のこの法案、皆さんはどうお考えですか。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。