今回は、我が国の将来の在り方をも左右するこの話題です。
TPPの会合が、ブルネイで開かれている。
先月に開かれた会合の終盤から参加できた日本は、
その瞬間からここまで、かなりの情報を集めることに成功している。
一方で、アメリカとの二国間交渉で、
不利な条件を突きつけられるなど、
早くもTPP参加のメリットがそがれかねない動きもある。
以前のの小欄で、TPPの「制度的事項」について、
大きな懸念を示したが、TPPの交渉項目は、21にわたる。
http://ameblo.jp/depthsofnews/entry-11537559342.html
項目ごとによって、同じ相手国が
敵にもなったり見方にもなったり、と
非常に複雑な交渉になっている。
(敵味方、という言い方は、ちょっとオーバーでしょうか?)
21の1つにすぎない貿易でさえ、品目によって、敵味方が入れ替わる。
ただ、そのなかでぼんやりと浮かんできたのは、
なんとなく、アメリカとそれ以外の一部の国が、
年内交渉妥結を巡って、対立の様相を見せていることである。
アメリカは、年内妥結を目指している。
交渉が長引けば、原則自由の例外を多く作ることになるからだ。
しかし、それだとアメリカに有利になってしまうことから、
他の国は、けん制する動きを見せている。
ここに、日本のチャンスがあると指摘する声がある。
日本は、戦後、日米同盟という形で、非常に強固な結びつきを作ってきた。
国家間だけだけでなく、東日本大震災の
「トモダチ作戦」は、日本を、友人として認めている証しだ。
東南アジア各国とも、
同じアジアの国として、協力し合ってきた。
メキシコとは最初にEPA(経済連携協定)を結んだ。
カナダ、チリとも、友好的な関係にある。
ここに日本が入ってきて、何ができるか。
それは、各国同士の利害を更にしっかり把握した上で、
その調整役を買って出て、その実しっかり、
日本に有利になるような全体像を作ることである。
アメリカとの二国間交渉での不利も跳ね返せる。
なぜなら、TPPでアジアに足場を築くことで、
中国をけん制できることから、そこを突けば、
無茶な要求もできまい。
アジア各国も、いくら対立しているとはいえ、
アメリカ市場は大きな魅力だ。
そして日本も、それを有利に使い、参加遅れのハンデを埋めていく。
少なくとも、米韓EPAによって、
国民が犠牲になった韓国の二の舞は避けられる。
上記の前回の小欄で、巻き返しの手は限られていると指摘したが、
その限られた中で、非常に大きな武器を得た、といっても良いだろう。
交渉当局には、「日本がTPPを引っ張っていくんだ。」
という気概を持って、これからも、交渉にあたってほしい。
そして、絶対に、「制度的事項」で、
日本に不利にならないよう、貫いてほしい。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、TPPを、どうとらえていますか?