Column62.笑えない、野党の「敗戦処理」②日本維新の会・みんなの党 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

きょうは、先週に引き続き、参院選後の野党の対応について書きます。
今回は、日本維新の会とみんなの党です。



今回の参院選で、日本維新の会は、
目標の10議席に届かず、橋下共同代表の辞任の話までに発展した。



同党の敗因は、東京都議選直前の、
いわゆる、橋下氏の慰安婦問題発言によって、
同党の支持が、一気に失われたからだと言われている。



確かにそれは大きな要因ではあるだろう。
しかし、その発言は、以前の小欄でも取り上げた通り、
まったく別の問題を話しているときに、
本論から外れた話として、その際に出てきたものである。



もちろん、その発言に賛成はできないことは言うまでもない。
ただ、発言の波紋は、都議選の告示の頃には少し下火になっており、
参院選では、ほとんど話題にすら上がらなかった。



同党は、もともと、平沼国会議員団代表が、
代表を務めていた「立ち上がれ日本」に、
当時の石原新太郎東京都知事が合流してできた「太陽の党」に、
大阪維新の会を母体とした日本維新の会と合流してできた。



旧維新の会と太陽の党は、原子力発電に対するスタンスが180度違うなど、
そもそも、意見の隔たりが大きい。
さらに、自民党や民主党からの離党者も入り、
あまり言われないが、民主党より、寄り合い所帯的色彩が濃い。



そのことが、橋下発言をきっかけに、
国民にも認識されたから、投票を避けられた、
これも大きいのではないだろうか。



現状、橋下氏は共同代表を続投する見通しだが、
もう一人の共同代表である石原氏は、体調がすぐれない。



国会議員でない橋下氏が、大阪市長を続けながら、
国政政党のかじ取りを続ける、というのは、
これからますますむずかしくなってくるだろう。



しかも、今度の国政選挙は、衆院の解散がなければ、3年はない。
衆院も、解散して半年しか経っていないから、
自民党の総裁任期が切れるのが2015年9月であるから、
与党内の政局が起きない限り、さらにその可能性は低いだろう。



ということは、橋下氏は、3年間は国会議員になれる可能性は、
補選がない限り、ないということになる。



先週もお伝えしたが、松野国会議員団幹事長は、
民主党の細野幹事長(当時)とみんなの党の江田幹事長が会って、
野党再編を模索しているという。



橋下氏が、そうなった際、どのように影響力を発揮できるのかが、
同党所属の国会議員が再編後にもし新党ができたとすれば、
主導権を握るか冷や飯を食わされるかが決まってくるだろう。



その会談に加わったとされる、みんなの党の江田幹事長は、
代表の渡辺氏と、今や分裂寸前の状態にまでなっている。



江田幹事長は、書いた通り、野党がまとまって、
自民党に大きく対抗できる勢力づくりを狙って、野党再編を模索している。



しかし、渡辺代表は、それでは寄り合い所帯だとして、
みんなの党1本で少しずつ大きくしたい、という考えを持っている。



一時は、主張の似ている日本維新の会との合流を模索していたが、
袖にされてからは、逆に全くそれを考えなくなった。



確かに、寄り合い所帯だと民主党の二の舞になりかねない。
とはいえ、大きな勢力がないと、自民党の暴走を許してしまうことにもなる。



そうならないようにするには、過去に、良いモデルがある。
長くなってしまったので、それは、来週に譲りたい。



このような対立は、渡辺・江田間に限らず、ずっと内紛を起こしている。
党内のガバナンス(統治)がなっていないからだ。
党内規則などから、正直、統制のとれている組織とはいえない。



みんなの党がしなければならないことは、
渡辺・江田両氏含めて、議員全員が、一旦政治信条を抜きにして、
党内の組織整備をしっかりとすることだ。



でないと、小さく産んでも大きくは育たない。
となれば、単体では自民に対抗など無理だし、
再編時でも、主導権を握ることはできないだろう。



筆者は、野党再編ははっきり言って無理だと予想している。
しかし、それでも、自民党が信頼を失っても政権を任せざるを得ない、
という状況を避けることができたことが、過去にある。



来週は、他の野党の敗戦処理も絡めて、その点について触れいていきたい。




皆さんは、今の野党をどうご覧になっていますか?
今の自民党は、積極的に支持されていると思われますか?

今週も、お読みいただきありがとうございました。