今週は、みんなの党について記載します。
日本銀行の総裁人事で、みんなの党は、
最後まで、旧大蔵省・財務省出身者を外すことにこだわった。
昨日の、国会での対応を見れば、一目瞭然である。
民主党も、党内で様々な意見はあったが、
党の方針としては、外すことを条件にはしなかった
結果として、黒田総裁に賛成した。
日本維新の会も、外すことが望ましい、としながらも、
最初から排除はしない、という姿勢だった。
みんなの党の対応は、渡辺代表が、
党を設立した経緯が影響している、とみてよいだろう。
渡辺代表は、前安倍政権時以来、規制改革担当大臣を務め、
官僚支配や既得権益に切り込もうとして、
自民党内からもすさまじい抵抗にあい、
退任・離党に追い込まれた苦い過去がある。
しかし、その信念を貫くために、みんなの党を設立した。
その信念に賛同する国民も、選挙を経るたびに増え、
1人の状況から、今では、衆参合わせて30人近くを擁する。
それだけに、財務省出身者を日銀総裁に配することは、
党是として認められない、ということであろう。
民主党政権では、官僚支配の排除が、
いつのまにか官僚そのものの排除になってしまい失敗した。
この点は、民主党の失敗を踏んではならない。
であれば、最初から排除するのもいかがなものかと感じる。
官僚支配の排除は当然だが、
そのものの排除は、物理的に不可能なのだから。
もうひとつ、既得権益の打破であるが、
今は高支持率に支えられている安倍政権の前に、
表立った批判は出てこないが、政治家や有識者の発言を、
深~く読んでみると、安倍政権の3本の矢の3本目である、
「成長戦略」に、大変大きな疑問がもたれている。
安倍政権批判と受け取られないために、書き方こそ、
「既得権益を打破して初めて、成長戦略が達成できる。」
「自民党は支持基盤の既得権益と決別できるか。」と書いて、
暗に「党内が抵抗勢力になって頓挫する可能性が高い。」
と示唆している。
成長戦略が頓挫すれば、既得権益の基盤強化、
さらなる格差拡大だけが残ってしまい、
我が国の地盤沈下は加速してしまいかねない。
その意味で、みんなの党は、大きな支持団体を持たず、
時間をかけて、議席を伸ばしていることから、
イデオロギーに左右されず、
既得権益・官僚支配打破を望む国民に、
支持拡大を図れているのであろう。
ただ、みんなの党の組織運営を見てみると、
渡辺代表が組織の中で、やや突っ走っているのではないか、
と、懸念するような動きが時々出てきている。
設立当初は、渡辺氏と江田幹事長との不和がささやかれた。
最近でも、維新の会との連携に党幹部が奔走している中、
渡辺氏が維新の会の大批判を展開し、
党代表解任規定の制定が持ちあがった。
いずれも、自由に発言ができる裏返しではあるが、
組織として統制がとれないようでは、
この先議席がもっと増えたら、もっと取れなくなる恐れがある。
渡辺氏は、設立時の熱い思いを持ち続けるのは良いが、
組織運営のトップにいる自覚を忘れてはならない。
一方で、江田幹事長など党幹部も、
渡辺代表の思いを、共有はしているだろうが、
具体的な政策を進める時の党の意思決定のプロセスに、
渡辺代表を巻き込んでいくようにしていかなければならい。
でないと、政権を取った時に、野田前首相のように、
平気で国民に嘘をつかなければ政権がもたなくなり、
党を分裂させてしまいかねない。
政局時にキャスティングボード(主導権)を握るためにも、
党としての一体感を、今のうちからまとめなければならない。
皆さんは、みんなの党についてどう考えていますか。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。