Column35.待ったなし、集団的自衛権の政府解釈変更. | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

今週は、先週の予告にて民主党の今後について
書く予定でしたが、アルジェリアでの
油田施設襲撃事件を受け、予定を変更します。



日本企業も深く関わっていたアルジェリアの油田施設にて、
テロ集団による襲撃事件が発生し、
日本人10人を含む多数の人質に犠牲者が出た。



亡くなられた方々に対し、謹んで冥福をお祈り申し上げる。



今回、これだけの犠牲者が出たのは、
アルジェリア政府軍による施設奪還攻撃が、
稚拙だったから、という見方が出ている。



それだけでなく、テロ集団が攻撃した時点で、
人質にするまでもなく、無差別攻撃をしていた、との情報もある。



また、アルジェリアの1990年代の内戦で、
15万人もの犠牲者が出た、という経緯から、
即時攻撃に踏み切らざるを得なかった事情もある。



とはいえ、今回、日本政府の対応には、
法的な制約が壁となり、情報収集に手間取ったことは、
どうしても否めない。



1つは、海外への自衛隊派遣について、
「自衛隊員の安全が確保されること」が条件となっていることだ。



日本人の救出を目的とするならば、そこに安全はあるのか?
安全ならそもそも救出せねばならな事情はないはずだ。



そんな規定自体、不謹慎な言い方をすれば、
ギャグ以外の何物でもない。
一刻も早く、そんな規定は変えるべきである。



その規定を作らねばならない背景には、
憲法9条が壁となって、集団的自衛権を行使できない、
という政府見解にならざるを得ない、との主張がある。



集団的自衛権を行使できないから、
海外で日本人が巻き込まれる事態に
後れをとることについては、言うまでもない。



しかし、憲法9条の是非はともかく、
今のままであったとしても、
「集団的自衛権を有しているが行使できない。」
という、現在の政府解釈も、これは、
不謹慎でも何でもなく、ギャグそのものである。



今の憲法9条のままでも、
専守防衛に徹する限り、”交”戦にはならない。
これは、1994年発足の村山内閣が国会で明言している。



もし、自分の身すら守ってはいけないのなら、
政府は、国民をどうやって守るのか。
従って、自衛権は何らの制約は受けない。
村山首相は、至極当然のことを言ったまでだ。



これが集団的となると、変わってくるように思われるが、
世界中に日本人がいる今日では、
日本を出て、日本人を守らねばならないことが出てくる。



まさに今回のことだ。


国民の生命と財産を守る義務のある国家が、
外国にいる国民を守るには、一国では行動できない。
集団的自衛権を行使できなければ、国家の責務を果たせない。



憲法9条改正が必要だ、という声もあるが、
そこまで待っていられるのか。
そもそも9条改正せずとも、解釈変更で十分ではないか。



そりゃ、憲法9条の理念は素晴らしい。
戦争はない方がいいに決まっているからだ。



しかしながら現実はそうはいかない。
であれば、憲法は理想の姿を目指すのだから、
現行の形のままでも集団的自衛権が行使できるのは、
自明の理なのだから、一刻も早く、解釈を変更すべきである。



主義主張で、憲法改正の賛否を問うのはもうやめにして、
国民の生命と財産を守るには何が必要かを、
考えている暇は、もはや一刻もない。



今週もお読みいただき、ありがとうございました。

来週は、先週予告の、民主党の今後について書きます。