Column24.真紀子"暴走"大臣、究極の”愚”の政治主導 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

きょうは、田中真紀子文部科学大臣による、
新設大学不認可騒動について取り上げます。




田中文部科学大臣が、同省の審議会に諮問していた、
来年春開学の新設校3校を、一旦不認可と表明しながら、
結局は認可することになり、その顛末を謝罪した。



この騒動で、3校のうちの1校を第一志望にしていた学生が、
出願期限の関係で、第2志望に切り替えざるを得なくなるなど、
人の人生を大きく狂わせることにもなった。



それだけも深刻な問題だが、もう1つ、
法治国家の前提を根底から覆しかねなかったことは、
あまり大きく取り上げられていない。



当初田中大臣は、不認可の方針の理由を、
量の増加による大学の質の低下の歯止めを上げた。



確かに、大学の数が増え、
質の低下が指摘されていることは事実である。



しかし、それは既存の大学の問題で、
そちらに対して施策を打つべきであり、
新設3校を不認可にしたところで何の解決にもならない。



しかも、3校不認可の一方で、
同時に申請されていた既存の大学の増員は認めており、
対応が正反対であり、量の増加歯止めになっていない。



今回の新設3校は、現在の法令の手続きに則り、
文部科学省の指導のもと、法的には適正に進められてきた。



その最後の段階で、文部科学大臣が、

本当に認可してよいかどうか、
大学設置・学校法人審議会に諮問し、
問題ないとの回答を受けたのに、不認可の方針を公にした。



つまり、文部科学大臣が、
問題ないと判断したから諮問したのに、
お墨付きを得ながらそれを覆したことになる。



量の増加が問題なら、現行の手続きや基準を改正すべきで、
新設3校にその問題の負担させるべきではないのに、

不認可という理不尽な結果を押し付けた。



これでは、為政者による恣意的な乱用で、
法令を守っても意味がない、
となってしまい、
法治国家の大前提が崩れてしまう



もし、現行の法令に問題があれば、
その法令を改正して対応するのが法治国家だ。
(大臣が諮問しながら無条件に覆せる制度も問題だが。)



一方、為政者の恣意的な運用がまかり通る国家、
それはすなわち人治国家である。
民主主義国家では絶対にあってはならない。



田中大臣は、その、
絶対にしてはならないことをしようとしたのである。

つまり、我が国を人治国家にしようとしたのである。



田中大臣は、石原前都知事の国政復帰を、
書籍名をもじって「暴走老人」と皮肉ったが、
まさに「暴走大臣」と言われても仕方がない。



民主党政権が繰り返してきた、愚の政治主導が、
ついに極まれり、といっても過言ではない。



民主主義国家の存在をも危うくした田中大臣は、
一刻も早く辞任すべきである。



辞任しないなら、野田首相は、即刻罷免すべきである。
しかし、例によって党内事情しか頭にないのか、
そのそぶりも見せない。



自民党も、参議院で問責決議案を出すのか出さないのか、
はっきりしていない。



4月に、田中大臣の夫である、
当時の田中直紀防衛大臣に対しては、
閣僚の資質を問う問責決議案を出した一方、
今回は、それをもはるかに上回る
深刻な事態であるにもかかわらずである。




一昨日あたりから、急に、
衆議院の年内解散が、現実味を帯びてきた。



そちらにしか関心がなくなって、
今回の騒動に無関心となっているのであれば、
我が国は、暴走大臣による”迷走国家”になりかねない。




今回も長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、いかがお考えですか。