きょうは、世界の三大経済大国である、
アメリカ、中国、日本の政権転換について書きます。
現地時間のしあさって(6日)、
アメリカの大統領選挙がおこなわれる。
テレビ討論直前までは、支持率において、
現職のオバマ大統領が優勢だったが、
1回目の討論を気に、共和党のロムニー候補が、
ほぼイーブンにまで迫り、終盤を迎えた。
今週、アメリカ東部を襲ったハリケーンで、
両陣営とも選挙キャンペーンの中断を余儀なくされたが、
支持率への影響は、ほぼなかった。
むしろ、昨日発表された失業率の数値が、
現職大統領再選の目安ラインとされる、
8%を下回ったことから、オバマ再選の可能性が、
わずかに高まった、とみられる。
とはいえ、まだまだ逆転の可能性は十分あり、
イーブンの範疇であることに変わりはないだろう。
ただ、どちらが当選しても、多少の違いはあるものの、
対外的に大きな差はなく、日本に対しては、
日本側の対応に混乱があり、その収束がカギとなるだろう。
対中国では、ロムニー候補の方が、
強硬的に見えるが、オバマ大統領も、
貿易問題を中心に強硬策を取らざるを得ないだろう。
その中国では、米大統領選の実質翌日に、
共産党大会が開かれ、中国の最高指導機関である、
共産党政治局常務委員が選出され、
そのトップである党総書記も、現在の胡錦濤総書記から、
習近平国家副主席に交代する。
最高指導機関と書いたが、事実上のトップは、
共産党軍事委主席とされている。
国家の軍事委主席と併せ、胡氏が就いている。
党総書記が兼務する国家主席職も、
来年3月に開かれる、日本の国会に相当する
全国人民代表大会で、胡氏から習氏に引き継がれる。
こちらは、どちらになるか分からない米大統領選と違い、
一見すると、既定路線として進んでいるように見える。
しかし実際は、胡氏の出身母体である
中国共産主義青年団(共青団)出身者グループと、
習氏をはじめとする、親が政治家の、
いわゆる世襲政治家である太子党と呼ばれるグループの、
2つのグループの対立が激しさを増しており、
8日の共産党大会の日程も、9月末まで決められなかった。
実質的には、胡氏の前任で習氏の後ろ盾である江沢民氏と胡氏が、
習氏が総書記・国家主席になっても、どれだけ、
自身のグループの影響を大きくできるかの対立になっている。
先日の大規模な反日暴動も、
両グループの駆け引きに利用されたと言われている。
ただ、国内での権力闘争が激しさを増す中、胡氏は、
党総書記・国家主席退任後も、党・国家の軍事委主席には、
とどまり続けるつもりだったが、混乱を回避するため、
退任する方向で調整が続いている。
その代わり、胡氏と同じ共青団出身で、
事実上のナンバー2になる見通しの李克強副首相が、
首相職に加え、両軍事委の副主席に就寝する方向で
併せて調整が続いている。
このように、中国国内の政治状況は、
この対立に加え、軍も複雑に混ざっているため、
お互い対外的に強硬策に出ざるを得ず、
日本にとっては、難しいかじ取りが要求される。
その日本はどうか。
野田首相が、「近いうち」の解散を約束しながら、
党内情勢もあり、解散できないでいる。
そもそも解散する気があるのかも疑わしい。
いずれにせよ、党内指導力が低下いしてることは否めない。
その約束の当事者である自民党も、参院で、
自民党自身をも否定する問責決議案に賛成し、
野田首相に所信表明演説を行わせない一方、
緊急質問は要求するという、矛盾した対応をしている。
衆院では、特例公債法案の審議に応じることを決めた。
安倍総裁には、参院自民党にも歩調を合わせるよう、
指導力を発揮できるかどうか、問われている。
アメリカとの関係修復、中国とのかかわり方で、
主体的な行動が求められている中で、
これ以上の混乱は、もう許されない。
経済三大国での政権転換期、
姿勢を一番明確にしなければならない日本が、
一番不透明になっている。
民主・自民両党とも、党内の人間関係ばかりに
目が行っているようなきがしてならない。
その目を国民に向けさせるには、やはり、
主権者である国民がきちっと選挙に行くことである。
このまま低投票率が続けば、政治家は、
高投票率層に特化したした政策を続けざるを得ない。
その意味で、私たちの責任は大きいと感じる。
きょうは、かなりの長文にお付き合いいただき、
ありがとうございました。
まずは、しあさっての米大統領選に注目したいと思います。