今回のタイトルは、まだ立件はされていませんが、
警察が捜索に入ったことも踏まえて「事件」と表記します。
大津市の中学生が自殺した原因を巡って、
自殺の事実やその背景だけでなく、学校や教育委員会、
警察の初期の対応に対し、連日、驚愕を以って報道されている。
この対応で浮き彫りなったことは、
・学校や教育委員会は、もはや解決者としての能力がない。
・警察は、教育現場にたいして及び腰であった。
これらが原因で、いじめの事実があったにもかかわらず、
対応すべき機関が対応せず、ここまで問題が重大化した。
そもそも、一連の報道されているいじめの事実は、
・家に勝手に押し入った。 → 住居侵入等(刑法第130条)
・トイレの水を飲ませた。 → 浄水毒物等混入(同144条)
・自殺の強要。 → 自殺関与及び同意殺人未遂(同203条)
・現金を脅し取った。 → 強盗(同236条)
・その他数々の脅迫、強要、恐喝行為
→ 脅迫(同222条)・強要(同223条)・恐喝(同249条)
これらのうち1つだけをとっても、
いじめというのは列記とした犯罪であることは明白である。
つまり、教育現場であろうが無かろうが、警察は、
被害届を受理し、適正な捜査を行わなければならない。
ところが、大津警察署は、3回も被害届の受理を拒んだ。
教育現場不介入、という心理が働いたからだあろう。
教育だからその範疇で解決すべき、ということである。
しかし、その教育現場・学校、教育委員会、自治体は、
その事実や因果関係を認めないどころか、
事実そのものを隠そうとしたことが次々と明らかになっている。
つまり、冒頭に書いたように、もはや当事者能力を失っている。
いじめた側に対する矯正まで到底至らず、
被害者の自殺という最悪の結果を招いてしまった。
そもそも教育現場に、犯罪事実の把握ができるのであろうか。
また、犯罪行為者に対する矯正は、少年院などの管轄ではないか。
犯罪である以上、その時点で教育機関と警察・司法・法務省関係が、
連携して対処すべきではなかったのではないだろうか。
その意味で、今回、滋賀県警が捜索に乗り出したことには
一定の評価がなされるべきではあるが、遅きに失した。
一方で、教育現場に対する警察の過度の介入を懸念する声もある。
警察行政を管轄する警察庁からも驚きの声が上がっている。
必要なのは、介入ではなく、先に書いた通り、関係機関の連携である。
そのためには、警察庁の幹部が指摘したように、
「捜索の目的はあくまで容疑の立件。
いじめ全体の対応は、教育現場に任せるべき。」である。
ただ、その教育現場が隠ぺいに走っていることに大きな懸念を覚える。
文部科学省には、今回、大津市に職員を派遣したように、
積極的な対応が今後求められるであろう。
各機関の連携が、いじめ根絶につながってほしい、
そう願うばかりである。
ちなみに、とある著名人が、加害者とされる少年の実名と写真を、
ブログに掲載し、批判を受けて削除した。
これは、刑法第230条の「名誉棄損」にあたる。
つまり、いじめ=犯罪であることにあてはめれば、
これもまた、列記としたいじめであることを、最後に付け加えておきたい。
皆さんは、今回の事件を、どのように捉えていますか。