Column7.「いじめは犯罪。」その真相解明と再発防止のために。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

今回のタイトルは、まだ立件はされていませんが、

警察が捜索に入ったことも踏まえて「事件」と表記します。



大津市の中学生が自殺した原因を巡って、

自殺の事実やその背景だけでなく、学校や教育委員会、

警察の初期の対応に対し、連日、驚愕を以って報道されている。


この対応で浮き彫りなったことは、

 ・学校や教育委員会は、もはや解決者としての能力がない。

 ・警察は、教育現場にたいして及び腰であった。


これらが原因で、いじめの事実があったにもかかわらず、

対応すべき機関が対応せず、ここまで問題が重大化した。


そもそも、一連の報道されているいじめの事実は、


 ・家に勝手に押し入った。 → 住居侵入等(刑法第130条)

 ・トイレの水を飲ませた。 → 浄水毒物等混入(同144条)

 ・自殺の強要。 →  自殺関与及び同意殺人未遂(同203条)

 ・現金を脅し取った。 → 強盗(同236条)
 ・その他数々の脅迫、強要、恐喝行為

  → 脅迫(同222条)・強要(同223条)・恐喝(同249条)



これらのうち1つだけをとっても、

いじめというのは列記とした犯罪であることは明白である。


つまり、教育現場であろうが無かろうが、警察は、

被害届を受理し、適正な捜査を行わなければならない。


ところが、大津警察署は、3回も被害届の受理を拒んだ。

教育現場不介入、という心理が働いたからだあろう。

教育だからその範疇で解決すべき、ということである。


しかし、その教育現場・学校、教育委員会、自治体は、

その事実や因果関係を認めないどころか、

事実そのものを隠そうとしたことが次々と明らかになっている。


つまり、冒頭に書いたように、もはや当事者能力を失っている。

いじめた側に対する矯正まで到底至らず、

被害者の自殺という最悪の結果を招いてしまった。



そもそも教育現場に、犯罪事実の把握ができるのであろうか。

また、犯罪行為者に対する矯正は、少年院などの管轄ではないか。


犯罪である以上、その時点で教育機関と警察・司法・法務省関係が、

連携して対処すべきではなかったのではないだろうか。


その意味で、今回、滋賀県警が捜索に乗り出したことには

一定の評価がなされるべきではあるが、遅きに失した。


一方で、教育現場に対する警察の過度の介入を懸念する声もある。

警察行政を管轄する警察庁からも驚きの声が上がっている。



必要なのは、介入ではなく、先に書いた通り、関係機関の連携である。

そのためには、警察庁の幹部が指摘したように、

 「捜索の目的はあくまで容疑の立件。

  いじめ全体の対応は、教育現場に任せるべき。」である。


ただ、その教育現場が隠ぺいに走っていることに大きな懸念を覚える。

文部科学省には、今回、大津市に職員を派遣したように、

積極的な対応が今後求められるであろう。


各機関の連携が、いじめ根絶につながってほしい、

そう願うばかりである。




ちなみに、とある著名人が、加害者とされる少年の実名と写真を、

ブログに掲載し、批判を受けて削除した。

これは、刑法第230条の「名誉棄損」にあたる。


つまり、いじめ=犯罪であることにあてはめれば、

これもまた、列記としたいじめであることを、最後に付け加えておきたい。




皆さんは、今回の事件を、どのように捉えていますか。