Column8.原発再稼働、何のための賛成反対か。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

きょうは、今反対派のデモにまで発展している、

原子力発電所の再稼働について考えます。



今月に入ってメディアの報道がなされている通り、

原子力発電所再稼働に反対するデモが行われている。


自治体住民がいつ帰れるか分からないほどの大きな事故が起き、

再稼働に向けた、安全対策の策定などのプロセスが、

国民の不安払拭に至っていない以上、

このような大きな声が上がるのは、自然のことと感じる。



【賛成/反対の論点】


再稼働反対を主張する人たちの中には、

メディアや雑誌、ネットを見ると、大きく二つに分かれている。


 1.断層の調査、緊急事態発生時のマニュアル整備等の

  安全対策がなされていない段階での再稼働に反対。

 2.とにかく原子力発電は反対。


一方で、再稼働に賛成の首長や動きを見てみると、


 3.当面は再稼働させないと、経済が立ち行かなくなる。

 4.3に乗じて1を押し切る形で再稼働させたい。


  以上の2つに分かれている。



どういう立場の人がどれ、という断定はしない。

ただ、2と4に関しては、イデオロギーや利害が出すぎていて、

エネルギーの確保という目的の一手段であるはずの、

原子力発電がの是非自体が目的になってしまっている。



その点、1と3は、賛成反対という立場であるが、

1が、安全対策等がなされれば反対ではなくなる、

3は、原発の代替手段ができれば、原発の必要性はなくなる。

ということになり、実は根が共通している。



【原発の行く末】


2の主張通り、全原発の再稼働が反対されたと仮定する。

となれば、それで原発は日本列島からはなくなることになる。


逆に4の主張通り、全原発の再稼働が実施されたとする。

稼働年数を40年とするという原則を、政府は打ち出している。

一部で20年延長論もがあるが、それでも最大60年である。


新たな原発建設は、賛成派からもその声は聞かれない。

ということは、60年後には、原発はすべて停止する。

つまり、賛成だろうが反対だろうが、時期はずれるが、

どちらの立場でも、原発はいずれなくなることになるのだ。



【超えられる、賛成/反対の壁】


全てとは言わないが、原発をある程度再稼働させなければ、

エネルギーにかかるコストが上昇し、企業活動や

国民生活に影響が出てくることは言うまでもない。

その影響は少ない、という説もあるが、0ではない。


とはいえ、長期的に、もう原発に頼ることが事実上できない以上、

いち早く、太陽光、地熱、風力等など、

コスト・環境面で原発に代替できる手段を開発する必要がある。


4の主張では、自然エネルギーはコストが高い、としているが、

大量生産や、戦後70年近くの我が国の技術の進歩からすれば、

下げられる努力をするべきではないだろうか。

いや、必ずできると信じたい。


原発再稼働の是非は、それ自体が目的ではなく、

あくまで、国のエネルギーの確保が目的であることを、

ここできちっと確認した上で、発展的な議論、

有効な施策の実施を期待したい。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。

皆さんは、どのように感じられたでしょうか。