きょうは、今反対派のデモにまで発展している、
原子力発電所の再稼働について考えます。
今月に入ってメディアの報道がなされている通り、
原子力発電所再稼働に反対するデモが行われている。
自治体住民がいつ帰れるか分からないほどの大きな事故が起き、
再稼働に向けた、安全対策の策定などのプロセスが、
国民の不安払拭に至っていない以上、
このような大きな声が上がるのは、自然のことと感じる。
【賛成/反対の論点】
再稼働反対を主張する人たちの中には、
メディアや雑誌、ネットを見ると、大きく二つに分かれている。
1.断層の調査、緊急事態発生時のマニュアル整備等の
安全対策がなされていない段階での再稼働に反対。
2.とにかく原子力発電は反対。
一方で、再稼働に賛成の首長や動きを見てみると、
3.当面は再稼働させないと、経済が立ち行かなくなる。
4.3に乗じて1を押し切る形で再稼働させたい。
以上の2つに分かれている。
どういう立場の人がどれ、という断定はしない。
ただ、2と4に関しては、イデオロギーや利害が出すぎていて、
エネルギーの確保という目的の一手段であるはずの、
原子力発電がの是非自体が目的になってしまっている。
その点、1と3は、賛成反対という立場であるが、
1が、安全対策等がなされれば反対ではなくなる、
3は、原発の代替手段ができれば、原発の必要性はなくなる。
ということになり、実は根が共通している。
【原発の行く末】
2の主張通り、全原発の再稼働が反対されたと仮定する。
となれば、それで原発は日本列島からはなくなることになる。
逆に4の主張通り、全原発の再稼働が実施されたとする。
稼働年数を40年とするという原則を、政府は打ち出している。
一部で20年延長論もがあるが、それでも最大60年である。
新たな原発建設は、賛成派からもその声は聞かれない。
ということは、60年後には、原発はすべて停止する。
つまり、賛成だろうが反対だろうが、時期はずれるが、
どちらの立場でも、原発はいずれなくなることになるのだ。
【超えられる、賛成/反対の壁】
全てとは言わないが、原発をある程度再稼働させなければ、
エネルギーにかかるコストが上昇し、企業活動や
国民生活に影響が出てくることは言うまでもない。
その影響は少ない、という説もあるが、0ではない。
とはいえ、長期的に、もう原発に頼ることが事実上できない以上、
いち早く、太陽光、地熱、風力等など、
コスト・環境面で原発に代替できる手段を開発する必要がある。
4の主張では、自然エネルギーはコストが高い、としているが、
大量生産や、戦後70年近くの我が国の技術の進歩からすれば、
下げられる努力をするべきではないだろうか。
いや、必ずできると信じたい。
原発再稼働の是非は、それ自体が目的ではなく、
あくまで、国のエネルギーの確保が目的であることを、
ここできちっと確認した上で、発展的な議論、
有効な施策の実施を期待したい。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
皆さんは、どのように感じられたでしょうか。