Column3.オウム事件、これで終わりではない。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

昨日、地下鉄サリン事件など一連の、オウム真理教引き起こした事件の、

最後の逃亡者である、高橋克也容疑者が逮捕された。


若い世代にはピンと来ないかもしれないが、

先に逮捕された菊地直子容疑者とまったくの同世代である筆者としては、

地下鉄サリン事件を中心とした一連の事件がこれで終わった、

とは到底感じられない。


オウム真理教事件が引き起こした一連の事件の記録は、

他のサイトをご参照いただきたい。


た一人の人間に多くの人間が盲信する、いわゆるカルト教団の異質さや

オウムがその異質さゆえに社会から近寄りがたいものとして

見られていたことにはあまり触れられていない。


さらにその異質さが、オウムの場合は、日本社会を恐怖に陥れ、

国際社会からも、「安全な日本でテロが起きた。」と驚愕されたことも。


オウムが出てきた1980年代後半は、

日本はいわゆる「バブル」景気真っただ中だった。


バブル景気は、今では良い面しか強調されないが、

物価の高騰や地上げによる地域コミュニティの崩壊など、

庶民にとっては負の側面も大きかった。


企業は潤沢な資金に物を言わせて海外資産を買いあさり、

それこそバブルの語源である「あぶく銭」を手にしたにわか成金の席巻に

その負の部分を感じる人にとっては、辟易していた。

特に学生は、その思いが強かったと思う。


オウムに入信しその後教団の中心となって犯罪に手を染めた信者は、

さらに中でもその社会の状況に矛盾疑問を感じる中、

オウムと出会い、入信している。


そうやって俗世間から離れ、一旦信じた教祖にとことん忠誠をつくし、

気づいたら、大量殺人という大犯罪に手を染めていた。


ざっと振り返るとこのようになるが、なぜ、高橋容疑者や菊地容疑者が、

17年もの間、逃亡を続けることができたのか、

特に高橋容疑者はあれだけの大金を所持できたのか。


どう考えても支援者の存在なしにそんなことができるとは考えにくい。


オウム真理教の流れをくむ宗教団体も現在も活動している。

その意味で、一連のオウム事件は、今もなお続いていることになる。


先に逮捕された平田信容疑者と同様、これから裁判が始まる。

その過程で、疑問も明らかになっていくだろう。