歯科技工士につぶしはきくのか⁉実務経験と免許を活かせる異業種の仕事3選 | dental-techniqueのブログ

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元歯科技工士が自らの経験を踏まえて、歯科関係のお話を綴っています。

今回は歯科技工士を続けてきたけどもう限界!技工士自体を辞めたいけどせっかく免許を取ったんだし、何か他に免許を活かせる仕事はないかと探している人向けの記事です。

 

これから紹介する業種は、「歯科技工士免許があることが必須」というものもあれば、なくても今までの経験を活かした手先の器用さを武器に働けるお仕事です。

 

  1. ネイリスト
  2. シルバーアクセサリー(彫金師)
  3. 補聴器
 
なんで補聴器?と思われると思いますが、これこそ歯科技工士免許が必須と求人票に書かれているお仕事です。
 
それでは順に紹介していきます。
 
 

 

ネイリスト

 

ネイリストだったら女性しかなれないのでは?と思っていたのですが、調べたところ男性でもなれるそうです。

 

まずは気になるネイリストの年収はこちら。
 

 

次に一般的なネイリストのなり方から紹介します。

 

 

ネイリストになるまでのルート

出典:キャリアガーデン

 

  1. 専門学校に通う:費用 200万円 (夜間・週末のみ):30万円~50万円/年
  2. 通信教育などで独学で学ぶ:費用 5万円~10万円
  3. 未経験でネイルサロンに勤めて学ぶ 
 
歯科技工士のお仕事をしてきた人は、独学でのモノ作りの難しさは身に染みてよくわかっているはずです。
 
やっぱり効率が悪いし、できた作品に対しての評価があまく自己満足でしかありません。
 
お客様相手に自己満足の作品を提示してお金をいただこうなんてもってのほか。
 
と、いうことで調べてみたところ一般的にプロのネイリストとして認められるには「JNECネイリスト検定」の2級に合格する必要があるそうです。
 
更にこの検定試験には「実技試験」があり、やはり費用を抑えるために独学のみで何とかしようとしても難しいとのこと。
 
そこで元歯科技工士としての僕のおすすめは、死ぬほど忙しいとは思いますが働きながらも夜間及び土日コースの学校に通い、「JNECネイリスト検定2級」合格を目指すのがいいのかなと思います。(経済的に余裕のある方は、歯科技工士を退職して学校に通うことをおすすめします)
 
男性がネイリストになるためのスクールも紹介しておきますが、全国的に存在するわけでもなく、やはりプロになった後も女性の方が圧倒的に需要があるそうですので、男性の活躍する場は少ないようです。
 
~男性用ネイリストスクール~
 
 

 

 

 

シルバーアクセサリー(彫金師)

 

歯科技工士だったら一度は学生時代に指輪とか作ったことがあるんじゃないでしょうか。
 
昔流行りましたよねクロムハーツとか。(今もつけてる人いるのかな?)
 
そんなアクセサリーを作る人達を彫金師ともいうそうです。
 
彫金師になるには、
 
  • 芸術系の大学や専門学校で学ぶ
  • 彫金教室などで基礎を学び、その後職人へ弟子入り
  • 工房へ就職やアルバイトで腕前をみがく
 
この方法が一般的なようです。
 
どこを目指すかにもよりますが、就職する際には条件等が小さな歯科技工所と変わらないようにも思えます。
 
そもそも就職をするというよりも、自分でオリジナルのブランドを作って販売するといった感じかもしれません。
 
「歯科技工士」と検索すると、一緒になって「シルバーアクセサリー」と出てくるので調べて紹介していますが、こちらもプロになるには相当の覚悟が必要で、資格などは必要ないものの、趣味でネット販売を楽しむ人が多いのが現状とのことでした。
 
正直、歯科技工士として今の現状に苦しんでいる人にはあまりおすすめしたくはありません。
 
もう一度はじめから、歯科技工士の仕事を始めるのと変わらない気がするので。
 
 

 

補聴器を作るお仕事

 

こちらは今から約20年前の僕がまだ学生だった頃から、こんな仕事もあるんだよと言われていたお仕事です。

 

実際の求人表に掲載されている情報を見てみましょう。

 

 

◆技工士は耳型インプレッションよりイヤモールドやイヤモニ用シェルの作成などの作成技術業務になります。

 

要は、

 

耳型採取インプレッション カスタムイヤホンイヤモニター

 

出典:関東補聴器

 

 

歯科技工士さんは良く知っていると思いますが、ガムの作成時などでつかうシリコン系の印象材を使って、耳の印象採得を行い、

 

 

 

耳型採取インプレッション カスタムイヤホンイヤモニター

 

 

耳型採取インプレッション カスタムイヤホンイヤモニター

 

出典:関東補聴器

 

 
この型を元にして、完全オリジナルの補聴器を作っていく作業のようです。
 
歯科技工士の技術が活かされるというのは、このときの耳の形に合わせた補聴器を作る際の微細な調整作業のことでした。
 
全国的にどこまで需要があるのか分かりませんが、一部の求人票をみた限りでは福利厚生もしっかりしているようですし(退職金制度はないかもしれません)、歯科技工士の業務実態よりはいい労働条件のように思います。
 
 

まとめ

 

  • 女性の歯科技工士さんには「ネイリスト」
  • 男性の歯科技工士さんには「補聴器の作成業務」
  • シルバーアクセサリーは「あくまでも趣味とする」
以上が、歯科技工士の実務経験と免許を活かした異業種への転職の感想とさせていただきます。
 
本当に歯科技工士を辞めてご飯を食べていけるのだろうかと、心配になる気持ちはよくわかります。
 
どうしても平均年収以上を稼ぎつつ、職人技を活かす仕事というのは、何か一つを極めて独立成功するしかないように思います。
 
僕の場合は歯科技工士の特色を活かすことのない全くの異業種へと転職したので、毎日本当に苦しい思いをしています。
 
ただその代わり、経済的には安定することができました。
 
向いていることでお給料のいい仕事につくのが難しいのなら、どちらか一方に絞って、それをやりがいとして我慢していくしかありません。
 
転職をするなら慎重になってよく考えてから行動してください。
 
では、また。