歯科技工士を途中で辞める場合はどうすべき?ベストな時期と退職願の書き方は? | dental-techniqueのブログ

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元歯科技工士が自らの経験を踏まえて、歯科関係のお話を綴っています。

歯科技工士の仕事に耐えられない、もっと他の仕事がやってみたくなった。

 

離職率80%と言われている歯科技工業界では、こんな悩みをもっている人がほとんどではないでしょうか。

 

僕が勤めていた技工所では、カラオケで歌がうまいと褒められた人が、その気になって急に本気で歌手を目指して退職する人が2人ほどいました。

 

これは極端な例ですが、辞めるにしてもちゃんと次のことを考えて退職することがベストです。

 

退職するといってもその人の年齢や状況によってもできるできないが変わってきますので、状況別に考察していきたいと思います。

 

  1. 希望に満ち溢れて入社したがすぐに嫌になった場合
  2. 踏んだり蹴ったりでもう限界な35歳未満の場合
  3. 腕に磨きをかけ続けてきた35歳以上の場合
 
 
共通している悩みとしては、歯科技工士をこれから先続けるべきか辞めるべきかという点だと思います。
 
 

入社してみたら思っていたのと違った

 

専門学校は卒業できたのに、入社してすぐに違う業界へと転職してしまう人が多いのも歯科技工業界の特徴です。

 

僕と同期で入社した人は、新入生代表で挨拶をしていたにも関わらず、もともとは接客業がしたかったからという理由で、わずか三カ月で退職してしまいました。

 

いったい何のために国家資格を取って歯科技工士になったのかすら分かりませんが、この時点で辞めるのなら時期もなにもあったものではないので、すぐに「一身上の都合により退職します」と一筆書いて退職しましょう。

 

そしてハローワークに登録して職探しをすれば、まだ若いというだけで何かしらの求人があるはずです。

 

ただし世の中そんなにあまくはないので、入社してすぐに退職した場合の履歴書というのは、新しく希望する会社への印象を悪くしてしまうことでしょう。

 

あえて書かなければいいという考えの人は、専門学校を卒業した後でどうして就職をしなかったのかという質問が苦しいと思います。

 

古い考えかもしれませんが、やはり石の上にも三年ということわざがあるように、入社した以上は最低でも三年間は続けて何か一つでもものにしてから、退職することをおすすめします。

 

単に嫌だったから辞めましたでは辞めグセがついてしまい、他の会社に行っても長続きはしないと思います。

 

どうせ辞めるなら、胸を張って人を納得させられるほどの理由をもって退職しましょう。

 

 

 

このまま歯科技工士を続けるのか(35歳未満)

 

入社して10年選手くらいになると出てくる問題があります。

 

  1. 将来的に会社を辞めて独立する
  2. 違うところへ歯科技工士として再就職する
  3. 全くの畑違いの業種へと転職する
 
僕の先輩技工士の方で独立した人は、35~6歳で独立されました。
 
その方は元の会社での出世も早く、営業さんや歯科医院の先生からも慕われていたので、独立してからも仕事がなくなるようなことはなかったようです。
 
このように独立をされる方は、あらかじめ自分の予定に沿った自己管理ができていると思いますので、辞めるタイミングは就業規則を確認の上、ご自由にされたらいいと思います。

 

 

 

違うところへ歯科技工士として再就職する場合は、一般職と違って誰かの紹介による引き抜きが多いのが現状です。

 

その際は、口約束ではなくしっかりとした契約内容を確認してお互いにあとでトラブルにならないよう、初めにしっかりと話をしておくことが大切です。

 

相手会社との折り合いがついたら、自然と退職日が決まると思います。(就業規則の確認を忘れずに)

 

ただし、今働いている会社には引き抜きがバレないようにしましょう。

 

これは実際にあった話ですが、自己都合による退職としていた人が引き抜きによる退職だとバレてしまい、退職金を全額支払われなかったということがありました。

 

歯科技工業界自体がニッチで狭い世界のため、退職前には必ずさぐりを入れる人がいてうわさが流れやすいものです。

 

自分で再就職先を見つけてくる場合を除いては、水面下で慎重にことを進めてください。

 

 

 

自分で再就職先を見つける場合は、面接時に今の自分が何を作れるのかをアピールするために、練習などと言って作っておいた技工物を隠しもっておくといいでしょう。

 

それが出来たら、求人が出ている技工所及び歯科医院へ自分を売り込みに行きます。

 

最後はこちらも就業規則を確認した上で退職の意を伝え、一身上の都合として退職願を書いて提出するのみです。

 

 

 

歯科技工士を辞めて全く違う業種へと転職する場合。

 

僕は32歳まで歯科技工士として頑張ってきましたが、最後の賭けとして製造業に運よく転職することができました。

 

では今まで記述してきたように水面下で話を進めていたのかというとそうではありません。

 

もう限界と、急に辞めてしまいました。

 

それくらい精神的にも体力的にも追い込まれていたからです。

 

そして、僕よりもひどい扱いを受けている先輩歯科技工士の方を見て、歯科技工士という業界自体に希望がもてなくなり、モノ作りとはいえ違う業種へと転職することにしました。

 

このように全く違う業種へと転職するときは次のことが必要になるかと思いますので参考にしてください。

 

  1. モノ作りに関連した手先の器用さをいかせる仕事に就く
  2. 製造業の盛んな土地で再就職をめざす
  3. 面接で手先の器用さをアピールし、切実な思いを伝える
 

他業種から見た歯科技工士のイメージは真面目そうで、手先が器用であろうという点です。

 

そこのところを上手に面接で伝えることができれば、特化として他の入社希望者との差別化をはかることができます。

 

更には、昔マネーの虎という番組で社長全員が出資した人の話し方をそっくり真似ると採用率が上がります。

 

僕はこれをして、最初の会社と現在働いている会社の両方を合格しています。

 

あまり大口をたたくと後が大変ですが、面接で勝つためにはしっかりと対策を講じましょう。

 

 

 

 

このまま歯科技工士を続けるのか(35歳以上)

 

これはもう続けてください。

 

他業種では需要がないうえ、たとえ会社に入れたとしてもなじむのが大変です。

 

ここまできたら歯科技工士業を突き進むしかありません。

 

もし自分の価値を今以上に高めたいのなら「大阪セラミックトレーニングセンター」にいくことをおすすめします。

 

現役歯科技工士さんが更なるレベルアップをするための訓練学校です。

 

現在では宮崎校もあるようです。

 

1年間の全日コースで116万円ほどかかるようですが、ここで鍛えられた人は業界内でも一目置かれ、どこに就職しても優遇されるしトレーニングセンターを卒業していないと入れない技工所もあるほどです。

 

忙しいという方は週末コースに行くしかありませんが、なぜかお値段は全日コースとあまり変わりません。

 

 

 

まとめ

 

  • 退職の際は、次を決めてから水面下で退職の話をすすめる
  • 全く違う業種に行くなら上手く自分を売ること
  • 退職のベストな時期は特になし
  • 退職願いの書き方は一身上の都合でよし
 
まとめではザっと書きましたが、各内容についてはこの記事内をよく読んでください。
 
皮肉にも離職率の高さから、歯科技工士としての再就職はそれほど難しくはないでしょう。
 
それだけ空きがあるということなので。
 
しかしその空きに自分が入るということは・・・
 
たとえその先がいばらの道だとしても、目的と目標があってのことならいいのです。
 
あくまでも僕が歯科技工士を辞めたのは、30代までに稼ぎたい年収には程遠いし、おそらく一生その年収を稼ぐのは無理なことだからと、いつまでも低所得なことでやりがいもなくなり歯科技工が嫌いになったからです。
 
やりがいを捨ててでもせめて平均年収は稼ぎたい、そうすることで人生における選択肢を増やしたい。
 
この思いが歯科技工業界を去ることの理由としては十分でした。
 
若いころは辞めるなんて微塵にも思っていませんでしたが、歳を重ねるたびにその思いは変わっていきました。
 
どこに希望を見出すかは自分で決めなければなりません。
 
遅かれ早かれいつかはそのときが来ることでしょう。
 
そのときの決断が最良なものであることを願っています。
 
では、また。

 

 

 

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