1998年9月公開作品。
あぶない刑事シリーズ劇場版の第5作目で、1998年8月に放映されたTVスペシャル『あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98』の続編になります。
前作『あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98』の出来が良かったので、公開時は期待しながら映画館に足を運びました。
ですが、公開すぐに映画館に行ったにもかかわらず観客がほとんどいなかったので、期待は不安に変わりました。
果たしてその出来はいかに。
この先ネタバレ有り、注意!!!!!
映画は前作となる『あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98』のラストで脱走した城島を追跡する場面から始まります。
この序盤のコミカルなやりとりを挟みながらの追跡シーンがあまり面白くないので、初見の時は嫌な予感がしたものです。
この後もつまらないシーンが続きます。
中山秀征さん演じる立てこもり犯の人質となった浅野温子さん演じる真山薫と、立てこもり犯を逮捕しようと奔走する仲村トオルさん演じる町田透のコミカルな言動が全て面白くありません。
真山薫のキャラクターが崩壊しているのもひどいのですが、今作では町田透のキャラクターも崩壊しています。
この両者が物語の随所に頻繁に登場するので、タカ&ユージの物語に悪影響を及ぼしています。
前作の強敵・城島は、自爆して物語の中盤で退場します。
TVスペシャルから引き継いで物語を引っ張ってきた強敵のあっけない引き際には唖然とさせられました。
この場面以降は加藤雅也さん演じる今作の敵グループのリーダー・伊達章一郎と対峙することになります。
本作のヒロイン役は本上まなみさん演じる下村恵美。
せっかく加藤雅也さんと本上まなみさんが演じているのに、両者のキャラクター共、全く魅力が無く印象に残りません。
アクションも爆破シーンが多数ある割には演出がへたくそなので安っぽく感じてしまいます。
終盤はタンカーをシージャックして横浜に突っ込むというスペクタクルな展開になるのですが、それを映像として見せるには予算が圧倒的に不足しているので、全く面白くありません。
似たようなシチュエーションで1975年公開の『東京湾炎上』という映画がありますが、そちらの方がはるかに出来が良いです。
ラストはタカ&ユージが爆破で生死不明になるという結末。
あぶない刑事のシリーズがこれで終わったのだと思い知らされました。
出来の悪い映画を見せられて結末がこれでは、本当に後味が悪かったです。
あぶない刑事というシリーズをずっと見てきたファンとすれば、こんな映画でシリーズが終わるとはと落胆したものです。
この後、七年後にシリーズはまさかの復活を遂げるのですが、それは次回の話。
私の中ではこの『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』はシリーズ最低の作品だと思っています。
この後、現在までシリーズが継続しているのが奇跡に思えるくらい酷い出来で、これでシリーズが終焉にならなかったのが不思議なくらいです。
余程のあぶない刑事が好きな方以外にはオススメできない作品です。