11月27日土曜日、勉強句会を行いました。
句会開始前に吟行の話で盛り上がり、日常が戻りつつあることを感じました。
それでは、今月の参加者の発表内容です。
■風三樓、歳を重ねる
知命、還暦、古希。十年ごとの区切りの句から風三楼が歳を重ねていく様子を読み取る。
50歳、60歳、70歳とそれぞれの時代における感慨の違いをどう詠んでいるのか。
朝寒の股に手はさみ知命過ぐ 風三樓
■風三樓と「ぞ」の一年
助詞〈ぞ〉の用いられた句についての考察。
昭和15年の一年間に集中して作られているが、それが意味することとは。
俳人の挑戦する姿勢として見習いたい。
神籬に禰宜ぞ手かざし賀茂競馬 風三樓
■風生の飼い猫が気になる
風生は愛猫家だが、飼っていたのは日本猫?それとも、ペルシャ猫?
風生の書いた随筆をヒントに読み解いてみる。
籐椅子にペルシャ猫をるメロンかな 風生
■働くものとして風三樓句に思うこと
仕事先、出張先で句を作ることも多かった風三樓。
風三樓の俳句は、社会に生きる自身の姿を投影されている。
ピヤガーデン隅の暗きにホース置く 風三樓
最後に主宰から、『俳句的仏教的俳句』川口勇著(青磁社)より風生の句を引いてのお話をいただきました。
著者である川口勇さんは現在「古志」同人で、住職をされていた方とのこと。
以下、個人的な感想ですが……「仏教」という切り口で句を読んでみると、新たな発見もあり、読者の視点について考えるきっかけとなりました。
雪降れば蕪村忌にしてクリスマス 風生
知世さんから、永青文庫「芭蕉」展のご紹介がありました。
永青文庫はホテル椿山荘東京のお隣にあるミュージアムで、松尾芭蕉の名品の数々から「不易流行」に迫る、といった展示内容のようです。
12月5日までと会期終了間近ですが、ご都合のつく方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
https://www.eiseibunko.com/exhibition.html#2021aki
第二部の席題句会では「青」「山」「古」「志」「一」「切」「経」の7句を作りました。
つきすぎ、散々やり尽くしている、「も」に注意、手の内を見せないような季語を、など主宰からのご指摘をいただくことで今月も多くの気づきを得ることが出来ました。
その気づきを自分のものとして習得できるよう、これからも俳句を詠み続けようと思います。
帰路につくと、寒さにまだ慣れない銀座の街はそれでもイルミネーションに輝いて、すっかり冬の顔をしていました。
★お知らせ★
来月12月25日(土)は通常の勉強句会ではなく、特別編として吟行&句会を行います。
句会場は京橋プラザ区民館。13時開場、14時投句締切です。
吟行地としては日比谷公園、浜離宮恩賜庭園などを想定していますが、基本的には自由です。
当日朝起きてから投句締切までの間の句で、嘱目10句。
勉強内容の発表はありませんので、よろしくお願いいたします。
(私事ですが、東京から埼玉へ引越しました。自転車圏内に行きたいところがたくさんで、吟行のしがいがあります)
笠原小百合 記