毎日新聞 季語刻々 今昔「六月のゆふぐれ色のナポリタン」草子洗 | DEN

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「田」俳句会のブログ

6月18日の毎日新聞「季語刻々 今昔」にて、草子洗さんの句が掲載されました。

 

六月のゆふぐれ色のナポリタン  草子洗

 

「夕焼け空を見上げながら、庭とかベランダでナポリタンの夕食を楽しんでいる感じ」と、選者の坪内稔典さんは評されていました。

 

わたしは一読して「ナポリタンは夕暮れの色をしている」という句かと思ったのですが、

「実際に夕暮れに染まったナポリタン」という読みのほうが、更にナポリタンの色に深みが増します。

「六月」は梅雨の時期でなかなか夕暮れに出会えませんが、出会えたときにはささやかな幸福感があります。

そして、その幸福感はナポリタンにも繋がっていきます。

小さな幸せ、大切な日常をしっかりと描いた素敵な句だと思いました。

 

(江ノ島のいつかの夕暮れ。ナポリタンの句の夕暮れは、もっと鮮やかなイメージですが……)

 

笠原小百合 記