花より団子、牡丹より俳句 | DEN

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「田」俳句会のブログ

 

先日、上野恩賜公園内にある上野東照宮ぼたん苑へ行ってきました。

上野動物園の帰りにふらっと立ち寄ってみたのですが、霜除の藁囲いに包まれ、健気に咲く冬牡丹に胸が締め付けられる思いがしました。

 

 

さて、冬牡丹と寒牡丹は違うということを皆様はご存知でしたか?

わたしは今回ぼたん苑のパンフレットを見て、はじめて知りました。

 

牡丹には早春と初冬の二期咲きの性質を持つ品種があり、冬咲きのものが寒牡丹と呼ばれています。

寒牡丹の花は着花率が二割以下と、とても低いそうです。

そこで、春夏に寒冷地にて開花を抑制、秋に温度調整し冬に備えるという作業が行われます。

それに丸二年を費やし、ようやく開花するのが冬牡丹というわけです。

 

上野東照宮ぼたん苑には、そうして育てられて移植された約200株もの冬牡丹と、大切に育てたという寒牡丹が美しく咲き誇っていました。

想像していたよりもずっと広い敷地内には、多くの牡丹がありました。

 

そして、何より驚いたのが、いたるところに俳句の立て札が立っているということです。

わたしはついつい、牡丹より俳句を見るのに夢中になってしまいました。

美しい冬牡丹と、それを詠んだ素晴らしい句の数々。

思わず一句詠んでみたくなる、そんな空間でした。

 

 

 

その中に、水田主宰の先生である山崎ひさを先生の句も飾られていました。

 

 

踏みこみし足跡一つ寒牡丹  ひさを

 

 

 

正午の鐘が隣のお寺で鳴ったのに驚いた息子がぐずってしまい、最後は駆け足になってしまったのは残念でした。

また春のぼたん祭の時期に再訪したいと思います。

 

 

笠原小百合 記