百草園吟行記 (1月30日) | DEN

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「田」俳句会のブログ

 「百草園」吟行はすばらしい冬晴れとなりました。吟行時間は自由でしたので、何時に「百草園」に来てもいいわけですが、私は幹事ということもあり、九時半くらいに「百草園」に入りました。一時間近くたってもどなたとも会わないので、大丈夫かなと不安に思った矢先、女学生のようなにぎやかな声が入口付近で聞こえました。ひょっとしてと思い、入口に向かってみると、そこにはやはり「田」俳句会の何人かの女性陣がいらっしゃいました。この活気と若さはほんとにすばらしいと思いました。

 「百草園」には下の写真のように、急坂を上らないといけないのですが、特に最後の五十メートルくらいがしんどいのです。でも、この日は「百草園」に着くと、蝋梅や日本水仙、それに何と紅白の梅が拝めたので、皆さん、この急坂の苦しさも吹き飛んだのではないでしょうか。

DEN-百草園の急坂

 途中でカメラがおかしくなったので、下のような写真しか残っていませんが、梅が咲いている様子がおわかりいただけると思います。例年より十日ほど早いと受付の方がおっしゃっていましたが、期待以上の梅の開花に喜びもひとしお。とはいえ、それがうまく俳句に落とし込めるかどうかは別なのが俳句のむずかしいところです。



DEN-百草園 DEN-百草園の梅

 ほとんどの人が会場の府中へ電車で向かわれた頃、若干約二名の方が「百草園」に向かっておられました。それでも投句締め切りの二時にはお二人とも間に合い、しっかりと句に仕上げられ、総勢二十一名の吟行句会となりました。

 先生からは、「「百草園」自体はこじんまりした所で、句材も限られているので、同じような句がたくさん出てくる。そこをいかにくぐり抜けていくかがポイント。特に、今日は梅、水仙、蝋梅、福寿草といったこれまでさんざん詠まれている季語が中心となるので、どのようにして類想類句を抜け出せるか、いかに自分の句を打ち出していくかがポイントになるというお話がございました。

 また、披講や名乗りは句会の基本なので、はっきりとよく聞こえる声で行うようにとの注意喚起がございました。

 句会は先生のメリハリのきいたご進行で進み、冒険句的な句にも丁寧な評がなされました。特選は、道子さん、しをりさん、ひろ子さん、あるるさん(二句)が取られ、賞品が手渡されました。道子さんは特選のみならず、全句にたくさんの点が入り、この日の句会を独占された感がありました。おめでとうございます。句会のあとは、近くのお店で二次会、三次会と吟行談義に花が咲きました。

 雲ひとつない晴天に紅白梅の映えた景色が心に残る吟行でしたが、句材ゆえか、いつも以上に類想類句をいかにくぐり抜けるかの困難さを実感させられる吟行句会でもありました。