禾・田集抄 巻頭三句【2月】更新 | DEN

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「田」俳句会のブログ

今日は節分、豆撒きをしましたか?オニ
そして明日から立春!ということでブログも春仕様にしてみました。

今月の三句、巻頭は余人さん!!おめでとうございます。合格

DEN-ペラ201002

路地つなぐべつたら市の灯りかな  余人

江戸時代より続く日本橋のべったら市を詠んだ一句。
さらりとした詠みぶりが江戸前な感じを漂わせています。
路地をつなぐ提灯の灯りが、どこか人懐かしく感じられる俳句。

私はこの「べったら市」に行ったことがなく、
テレビのニュースでしか観たことがないのですが、いつか行ってみたいと思っています。

「お富さん」そらで歌つて敬老日  芬子

「死んだ筈だよ お富さん~♪」
無口な母が台所でたまに歌っていたのを思い出しました。明るく愉快でいいですね!
「そらで歌つて」に誰もが同じ流行歌を口ずさんでいた時代を思いました。
選評で歌詞が4番まであると書いてあったので、youtubeで聞いてみました。みなさんもどうぞ!(仕事中は駄目ですよ..)



主宰が「お富さん」に長生きの秘訣があるのかもしれないと書いていましたが、
歌を聞いてこの句を詠むと本当にそんな気がしてきます。

この歌の歌詞は、歌舞伎の有名な演目である「与話情浮名横櫛」(よわなさけうきなのよこぐし)の一場面「源氏店」(げんじだな)から題材を得ているとも。歌詞についてはコチラ

団栗のひとつで弾む会話かな  あさみ

友人との散策でしょうか?それとも公園などで出会った人でしょうか?
ともあれ、よくあることのような気がします。
理屈がなく誰にでもわかる俳句ですが、秋日和の感じがよく表現されていると思いました。
日本人にとって団栗は童謡に出てくるほど馴染み深く、コロコロツヤツヤとしていて可愛らしい存在。日常の中で、ちいさな秋を見つけた作者の喜びと、楽しそうな会話がこちらまで伝わってくるようです。   MERI