病院が実家に近いので父は母に食べさせようと炒め物など作って持って行ったようです。
ある日、ぶるーすかいの事務所でパソコンを打っていたら母の病院から電話がかかってきました。
病院から電話がかかると何かあったかといつもびっくりします。
慌てて聞いていると
「ご家族の方が大きいレタスを持っていらして冷蔵庫に入らないし、まだ新鮮なのでこっちで処分するわけにもいかないので取りに来てもらえますか」
との電話でした。ああああとため息を着きました。
母にメールしても返事がありません。
病院に行ってみると「きたの?」とキョトンとした母の顔。
眠っててメールに気がつかなかったようです。
ちょっとイラッとしましたが、今思えば、母の顔を見られてよかったとと思います。
父が持ってきたレタスを持って家に帰り、代わりに私が食べました(笑)
本当に困った父です。
一ヶ月近くなり、がんセンターに戻る時期になりました。
母は一刻も早く戻るんだと焦っていましたが、なかなかベッドの空きがありませんでした。
そんなに焦らなくてもと思いましたが、母の気持ちを落ち着かせるように
「早くベッドが空くといいね」と言ってあげました。
そう言っているうちにベッドが空き、がんセンターに移ることができました。
移る当日、私も来てほしいと言われ、朝早く病院に行きました。
一ヶ月だけど私も看護師さんたちに優しく接して頂き、離れるのが寂しかったです。
「戻るまでネームプレートは取って置きます」と看護師さん。
「また戻って来ます」と母。
でも戻ることはありませんでした。
がんセンターに戻ると顔なじみの看護師さんたちとおしゃべりして楽しそうでした。
母がいつも育てた花を鉢に移して私の家に持って来てくれていました。