会話 楽しむ 認知症介護
認知症の人は、感情まで失うのでしょうか?決してそうではありません。記憶の障害はありますが、その人らしい思いやりの感情は、しっかり残っています。
母の認知症介護していて、そのことをしっかり意識したエピソードがあります。
ある日私は、ブログの更新のためパソコンで作業していた。「う!う!う」と、変な声がした。鳩が、ベランダに巣をつくっているので鳩の声だと思った。
ブログ記事を書き終えたので、昼寝をしようとした。しかしまた同じ鳩の泣くような声。さすがに気になってベランダに歩いて行きました。
途中でトイレで倒れこんでいた母を発見。「かあちゃん」応答がない。息をしてない。顔が青ざめている。救急車を電話で要請。
とにかく口をあけて呼吸さしてやろうと思った。指を突っ込む。そこに、糸こんにゃくが。さきほど母は、おでんを食べていたのだ。
食べながらトイレに行きたくなったので、糸こんにゃく1個を丸ごとほおばり移動したのだろう。
それが何かの拍子にのどに引っかかり、呼吸困難になったのだった。 指を入れて異物を取り出した。母が苦しそうに呼吸再開した。一安心。そこに救急車のサイレン。
病院について、看護師さんが「お母さん?ここはどこか、わかりますか?」
「よくわかりません。お布団がふかふかで気持ち良く寝れて幸せ」
お医者さんが「もう少しで、死ぬところでしたよ」
「あれま。閻魔さんにお会いするところだったんですね」
緊急治療室なので、普段は緊張感あふれる場所。母なりに皆さんをほぐそうとの精一杯のユーモア。
認知症になっても、人間らしさをすべて失うわけではない。そのことを意識した母のエピソードでした。