会話を楽しんで認知症介護 | 認知症介護は思いやり

認知症介護は思いやり

認知症は社会問題です。介護の担い手のお嫁さんが働かねばならないなどのご自宅の事情から、在宅ケアもままならからです。しかも認知症の症状は複雑です。レビー小体型認知症の母の10年以上に及ぶ介護経験から介護保険利用の仕方、介護、症状をやわらげるやり方を教えます。

会話 楽しむ 認知症介護

認知症の人は、感情まで失うのでしょうか?決してそうではありません。記憶の障害はありますが、その人らしい思いやりの感情は、しっかり残っています。

母の認知症介護していて、そのことをしっかり意識したエピソードがあります。


ある日私は、ブログの更新のためパソコンで作業していた。「う!う!う」と、変な声がした。鳩が、ベランダに巣をつくっているので鳩の声だと思った。

ブログ記事を書き終えたので、昼寝をしようとした。しかしまた同じ鳩の泣くような声。さすがに気になってベランダに歩いて行きました。

途中でトイレで倒れこんでいた母を発見。「かあちゃん」応答がない。息をしてない。顔が青ざめている。救急車を電話で要請。

とにかく口をあけて呼吸さしてやろうと思った。指を突っ込む。そこに、糸こんにゃくが。さきほど母は、おでんを食べていたのだ。

食べながらトイレに行きたくなったので、糸こんにゃく1個を丸ごとほおばり移動したのだろう。

それが何かの拍子にのどに引っかかり、呼吸困難になったのだった。 指を入れて異物を取り出した。母が苦しそうに呼吸再開した。一安心。そこに救急車のサイレン。


病院について、看護師さんが「お母さん?ここはどこか、わかりますか?」

「よくわかりません。お布団がふかふかで気持ち良く寝れて幸せ」

お医者さんが「もう少しで、死ぬところでしたよ」

「あれま。閻魔さんにお会いするところだったんですね」

緊急治療室なので、普段は緊張感あふれる場所。母なりに皆さんをほぐそうとの精一杯のユーモア。

認知症になっても、人間らしさをすべて失うわけではない。そのことを意識した母のエピソードでした。