ひとりにさせない認知症24時間介護 | 認知症介護は思いやり

認知症介護は思いやり

認知症は社会問題です。介護の担い手のお嫁さんが働かねばならないなどのご自宅の事情から、在宅ケアもままならからです。しかも認知症の症状は複雑です。レビー小体型認知症の母の10年以上に及ぶ介護経験から介護保険利用の仕方、介護、症状をやわらげるやり方を教えます。

ひとり 認知症 24時間介護

認知症介護でつらいことは、要介護者から目を離せないこと。つまり一人にさせられないので、24時間気が休まらないことです。

レビー小体型認知症の母の主治医に、認知症介護するときの注意点について聞いたことがあります。

「いついかなるときも、最大目を離せるのは、5分間だけと思って介護されてください」
「難問ですね」
「暮らし向きは、大丈夫ですか?在宅介護でいけますか?」

その時の、おやさしい目を、今でも思い出します。

「何とかいけるでしょうから、やってみます」
「こちらも出来る限りの、お手伝いさせていただきます」

そのアドバイスでしてみると、買い物に行くのも大変でした。シングル介護ですので、家を出ると母一人になってしまうからでした。

ある時、レビー小体型認知症の母が、寝入っているのを確かめて、切らしていた醤油を買いに出かけました。

家に帰ったとき、トイレの前で失禁している母を見つけました。

「ごめんね、おもらしして」
「洗濯すればいいから、いいさ」
「ちがうの!」
「なにが?」
「自分がどうなっていくのか、わからないの」

最愛の母の心のうちを、はじめてのぞきました。母を一人にさせないことの意味が、たいへんなことを知った時でした。