(修正)
先回の記事で三井化学の貨物線が現役で稼働している旨を書きましたが、
改めて調べたところ2020年で運用を停止したことがわかりました。
あの鉄路で、どれほど待ち構えても貨物列車は走りませんのでご注意ください。
謝罪から始まって恐縮です。
宮浦石炭記念公園から更に自転車で南下します。
次の目的地は世界遺産登録されている宮原坑ですが、途上に見える鉄路跡も実は世界遺産。
炭坑と三池港を結んだ三井炭鉱専用鉄道跡ですが、詳しくは別記事で。
というわけで到着しました。
復習ですが「明治日本の産業革命遺産」は、その名のとおり
明治期までの日本の近代産業のメルクマールとなった資産によって構成されています。
具体的には石炭・鉄鋼・造船ですが、宮原坑は石炭産業の史跡です。
櫓前にはポンプ室が存在し(今は壁のみ残る)、最新式の英国式デビーポンプが二台設置されました。
炭鉱が深く掘り進めるにしたがって地下水の量も多くなったために、
強力な排水ポンプが必要なための施設でした。
櫓奥には巻揚機(ウインチ)室が現存しています。
手前のウインチは人用エレベータを上下させるためのもの(『天空の城ラピュタ』の冒頭を思い出せば)。
奥のウインチは重量物用です。
当初は蒸気ポンプだったそうですが、のちに電動に置き換わりました。
縦穴はすでにコンクリートで塞がれていますが、平成12年までは点検用に使われていました。
第二竪坑櫓は鉄製で22mの高さ。
第一竪坑は揚炭や換気のためにあり、そこには櫓も存在しましたが、
如何せん木造だったので現在まで残ることはありませんでした。
宮原坑も大正期には50万トン弱の石炭を算出していましたが、
昭和の相次ぐ恐慌と宮浦坑等(前回記事参照)の開発により昭和6年にその役割を終えました。
その後は近代化産業遺産として改めて歴史的な価値が注目され、
2015年に世界遺産登録されて現在に至ります。
(最近読んだ本)