deluxeの徒然雑草紀行

deluxeの徒然雑草紀行

ブログのテーマによる振れ幅が大きすぎるので、自分の読みたい記事テーマを決めておいた方がいいかも。
シリアスな社会批評の直後に「ガンダムLOVE」な記事を平気で載せたりしますから(w

最近、体調不良が続いておりましたので、昨日の大河ドラマ記事更新ができなく申し訳ございません。

何はともあれ、先回の『いだてん』から。

 

(第2部後半への布石が置かれていきます)

播磨屋を訪れたゴリン達。

そこには四三や孫基禎の足袋を作るための足型と、四三を囲んだ記念写真がありました。

その中には父親の姿もあったのですが、ゴリンは気づく様子もありません。

 

第一回から登場しているゴリンではありますが、シマちゃん先生の孫であることなど

少しずつ彼にまつわる謎が解き明かされてはおりますが、いまだに不明なことも多いキャラです。

祖母の写真は持っていたようですが、父親の写真を見たこともないと思われる描写もありますので、

おそらくはシマの娘・リクと結婚する前に学徒出陣で戦場に行き、その直後にリクの妊娠が分かり・・・

のような展開になるのかとも思ったのですが、それだと満州での手紙の謎が解けません。

いったいどうなることやら。

 

時は戦前に戻り、小松君と一緒に播磨屋に戻った四三をむかえたのはシマちゃん先生、

ではなくて娘のリクの成長した姿でした。

瓜二つである彼女をシマと間違えて抱き着く四三は、完全に不審者ですが喜ぶ理由もわかります。

それが小松君とリクの馴れ初めとなったとは、この時点では誰も知りませんが、

小松君が「リクちゃん!」と言った直後に、増野さんがスゴイ顔をしていましたので

父親だけは第6巻がこの時点で働いていたのかもしれません。

 

ベルリンオリンピックで金メダルを取ることになる孫基禎も、

播磨屋の足袋を使って世界記録を出したオリンピアンです。

朝鮮半島出身の日本人、ということに公式には登録されていますが、

彼の周囲をめぐる環境は複雑に過ぎますので、突っ込んだ描写はありませんでした。

それについては、またあとで。

 

 

(次の開催地は・・・トウキヨウ!)

ベルリン大会直前に行われた次回開催地のIOC委員による投票。

治五郎先生の最後のスピーチが皆の心に刺さったのか、開催地は東京に決定します。

でもその裏では不謹慎な発言もありましたが・・・・

とはいえ中国のIOC委員まで東京大会賛成の言質をとるなど、

予想以上の差でヘルシンキを下すことになりました。

その報に酔いしれる日本人ですが、直後にそれがぬか喜びと気づくことになります。

 

 

今も大して変わりませんが、国際大会においてはヨーロッパの発言権はかなりデカいです。

ゆえに当時はオリンピックはヨーロッパで開催するコトが常識。

日本の招致委員会もそれを理解していますので、昨今の政治状況も鑑みて

日米 VS 欧中 による票の取り合いになると予想します。

 

そんな中での治五郎先生最後のスピーチは

「聖火リレーをアジアに!」「戦火のある世だからこそ、平和の祭典が必要!」と訴えます。

古代オリンピックは国家間の戦争も休止してまで執り行われる平和の祭典でしたので、

戦争であろうがなかろうが大会は開催されるべきであるという主張は、素晴らしい“理想”でした。

ですがこの時代は、そんな理想に賭けてみようと多くの人が思う最後の時代でもあり、

現在においては戦争(当時の日本は「事変」と主張していましたが)をやっている国・地域で

あえてオリンピックをやろうだなんて主張したら、「馬鹿野郎」の一言で終わってしまいます。

 

例えば「エルサレムでオリンピックをやろう! 平和の祭典だから政治的な話は無しでね」

なんてイスラエルの人が言ったって「気がふれたか」としか皆は思わないでしょう。

そもそもエルサレムで開催するということ自体が、政治的云々という話にもなってしまいますし。

でも治五郎先生のスピーチは、要は上に挙げた例と同じと考えて構わないでしょう。

そんなおセンチな理想論を信じ(ようとし)た、各委員の思いは現実の前で踏みにじられてしまいます。

 

おそらくはその理想論に賭けた一人である中国のIOC委員は、

「アジアでオリンピックを開催する」という理念に賛同して東京へ一票を入れます。

その翌年に日中戦争が勃発。

戦後に成立した中華人民共和国は理想論を踏みにじる側に回り、

1964年の東京オリンピック開催期間中に原爆実験を強行するまでになりますが、

そんなことになるとはツユ知らずの委員たちの表情は見ているだけで辛くなります。

それは東京大会開催決定直後の副島さんの言葉、

「世界の信頼に背かずに・・・」に対しても共通するものです。

 

 

(1936.8.1 ナチス・オリンピック)

ヒトラーは、オリンピックを自身の政治的な力を誇示するためのプロパガンダとして利用します。

圧巻の政治ショーに呆然とする選手たちに巻き起こったのが、「ハイル ヒトラー!」ブーム。

大会前半で行われた陸上のマラソン競技では、いよいよマラソンの実況中継が始まったものの・・・

 

ヒトラーの業績はいろいろあるのですが(もちろん負の側面が圧倒的に多い)、

現代のオリンピックにも受け継がれているモノが開催国の国力宣伝であったり、

聖火リレーを始めるなどのオリンピックを盛り上げるイベントを発明であったりします。

科学史・社会史の重要な1pを指摘するならば、ベルリン大会はテレビ配信という

世界史上初の試みがなされました。

関係ない話ですが、後には不幸な歴史とされるこの映像が、

映画『コンタクト』の中で効果的に使われますので、未見の人はお勧め。

 

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その大会規模に圧倒されるマー君たちですが、ラトゥール会長からは

「東京は東京のやり方でよい」と諭されます。

彼なりのプロパガンダ・オリンピックへの抵抗だったのだと思われますが。

 

選手村の「ハイル ヒトラー!」ブームは、日本特有かどうかは知りませんが

よく意味も分からないのに「面白そうだから」という理由で流行しただけでしょう。

少し前のオウム真理教に対する一般人の接し方も、似たようなものでした。

オカルト的な現象を楽しむという意識以上のものは持っていないのですが、

そうやって危険なカルト的集団を持て囃しても、良いことは何一つないのが歴史の教訓。

マー君はその危険性に気づいたようですが、他の人たちは全く意識の外です。

 

マラソン競技が始まってからしばらくして実況は中断。

当たり前といえば当たり前で、目の前のトラックを走る姿を見届けたら、

今のように実況中継車というものがない時代である以上は実況は不可能。

そして数時間後の実況再開で最初に現れた選手は、日本の孫基禎。

ストックホルム大会から苦節24年、ついに日本にマラソンの金メダルがもたらされました!

 

・・・って素直に喜びたいのはヤマヤマですけれども、

孫選手は日本代表だけれども、朝鮮半島出身で民族的にも朝鮮人という出自です。

当時の本土の一般人が持つ朝鮮半島出身者に対する視線は、決して対等なものではありません。

それは1923年の関東大震災で嫌というほど目にしてきました。

それでも彼を世界一の選手にしようという関係者の思いは、良い意味で単純明快。

強くなるためには、国籍だの人種だのなんて余計な考えを差し込む余裕は無いですから。

だから孫選手は、日本本土にある播磨屋の足袋を使用してオリンピックに参加しましたし、

彼が優勝すれば播磨屋のみんなは喜んで社長を胴上げします。

 

しかし競技が終われば、そんな単純な理想論には容赦ない現実が突き付けられます。

競技が終わり表彰式で『日の丸』が掲揚され、『君が代』が流れる。

それは否が応でも孫選手のアイデンティティーを揺さぶることになりましたし、

左翼系の東亜日報が孫選手の日の丸を潰して紙面を掲載するなどの事件が起こります。

まぁこの手の話はスンゲー長くなるので、本作ではあの程度の触れ方にとどめられても

仕方が無かったとは思います。

 

 

(えっ! 言っちゃう!?)

いよいよ水泳競技が始まる前日、大会の政治ショー化を憂うマー君が

練習中の前畑秀子選手と鉢合わせ。

マー君は彼女に「前畑 ガンバレ!!」と言ってしまいます・・・

 

 

(最近読んだ本)

 

 

 

 

久しぶりのアニメ記事をちょっと。

 

筆者は子供のころはともかく、ジャンプ系の漫画が苦手になった理由の一つに画柄があります。

今やっている『Dr.STONE』は顕著ですが、あの濃い画はどうにも好きになれません。

ネットの評判を見ると「科学に対して真摯な態度を常に示している」という主旨の、

あの画にそぐわない案外と真面目な内容に思われ、その意味では興味がわくのですけれども、

苦手な画であることには変わりなく、結局見ていません。

 

 

 

しかしながら何事にも例外はあるもので、ジャンプ系とはいえスタイリッシュな絵柄で、

また近年ジャンプ系漫画が手掛けなかったミステリ要素を色濃く残す作品でもあり、

もう一つ特徴を挙げるならば正統派のSFジャンルという点も珍しい。

ギャグのセンスはジャンプ系なんですが、それはあまり気にならないので

彼方のアストラ』は毎週楽しみに観ている作品です。

 

あとジャンプ系作品の嫌なところとしてよく挙げられる、アンケート至上主義によって

連載期間が決定することから無縁な点もお気に入りの一つ。

原作はすでに終了していますが、連載はweb上で5巻で終了するという短期決戦方針を

連載当初から決めていたことから、終盤に向けての伏線の回収具合が計算されつくしているので、

毎度毎度新しい「えっ!」「そういえば・・・」みたいな感覚を味わえることがうれしいですね。

 

週刊少年ジャンプを買っていた頃は、アンケート結果が悪くなるにつれて

・無理筋な展開で物語の核心に向かう

・連載ページが明らかに後方へ移されていく

などの兆候が見えたと思ったら、突如最終回を迎えた・・・みたいな経験を多くしました。

 

逆にアンケート結果が良い状態が続いた場合は

・もう連載も終わりだと思ったのに、脈絡もなく新しい敵が登場する

・だけど無理筋な展開が明らかなので、物語の筋が破綻する

・そうなるとアンケート結果が悪くなる

となって、新展開になったにも関わらず突如最終回を迎えた・・・みたいな経験も結構ありました。

 

でも本作のような短期決戦ありきの場合は、そういう悲劇的な結末がありえないですし、

しかもすでに原作が終了していることから、変な最終回を迎える不安感もありません。

そういう意味でも良作だと思います。

 

とかなんとか書いてきましたが、次回でついに最終回。

母星に戻った少年少女たちの運命は如何に・・・?! というベタの王道な終盤も久しぶり。

来週の1時間スペシャルを楽しみにしています。

 

(1936年2月26日、早朝)

皇道派青年将校が東京都内の主要施設を占拠し、高橋是清・斎藤実・渡辺錠太郎を暗殺。

朝日新聞本社も占拠され、一連のクーデター報道が出されたのはその日の夜。

戒厳令下の東京都内では、相も変らぬ風を装って招致活動を継続。

とりあえずはラトゥール来日の日程調整案を練り始め・・・

 

ようやく落語で食えるようになった志ん生の引っ越し当日、運送屋から事件について知らされます。

その衝撃は、のちに回想する戦後の志ん生も言葉にはできないほどでした。

高橋是清大蔵大臣射殺、斎藤実内大臣射殺、渡辺錠太郎教育総監惨殺、鈴木貫太郎侍従長重傷

・・・と淡々と描くだけでも事件の規模の大きさがわかります。

 

その中で誤報が一件新聞社に飛び込んできました。

岡田啓介総理大臣射殺と連絡が入りましたが、正確には義弟の松尾伝蔵が殺され、

官邸が占拠される中、総理大臣は物置に隠れて、その後弔問客に紛れて無事脱出に成功します。

五一五の海軍将校に続いて陸軍も総理を暗殺、というようにならなかったのはマシではありましたが、

この事件を機に、誰も軍部の発言権拡大を押しとどめることができなくなっていきます。

 

叛乱軍が新聞社を襲撃対象にしたのは、自分たちに都合の悪い情報が流されないためです。

裏を返せば都合の良い情報を流してくれるならば、軍はマスコミを大いに利用するようになります。

その時代は割とすぐに訪れることになるのですが・・・

 

そんな中で開かれた招致委員会の会議。

マー君は「戒厳令下で五輪なんてできるか? やるなんて正気か? でもやりたいよ!!

と矛盾する心中を正直に吐き出します。

これまで変人ぶりが大いに描かれましたが、招致委メンバー内では案外と常識ある方だったんですね。

オリンピックが規模の大きな運動会と割り切ったうえで、全力を尽くすという彼のスタンスがわかります。

それは治五郎先生も同じで

「やるんだよ!!!!」と応えたことで、ラトゥールおもてなしの会議が開始。

というかラトゥールも事件の報を船上で聞いただろうに、それでも東京行きをキャンセルしなかったのは

それだけスポーツが政治に屈してはならないという信念を持っていた証左だったのでしょう。

直後のベルリン大会が、まんまと政治に屈する大会になってしまったことは、歴史の皮肉ですが。

 

 

(元祖「お・も・て・な・し」)

神宮競技場の他、歌舞伎などの日本文化紹介など至れり尽くせりな日程でお出迎え。

神宮競技場では、治五郎先生が直々に震災からの復興までの道のりについて説明し、

ラトゥールの母国・アントウェルペンで開催されたオリンピックを例に挙げながら、

東京での開催の意義を訴えます。

そんな東京案内を任されたのが、なんと久しぶりの登場の清さんで・・・?

 

事件直後の生々しい東京の印象を、どう良く見せればよいか。

こんな難題を検討する委員会メンバーですが、治五郎先生の発案で清さんの人力車を使うことに。

これで大通りに入る軍人たちと遭遇せずに済む・・・って、人力車の設定がここで活きるとは!

マジでクドカンの脚本の伏線回収具合に感心しました。

そのための清さんと小梅のキャラ設定だったんですね。

そこに美川君を絡ませた意味はわかりませんが、まぁ彼は存在自体が面白いので結果オーライです。

 

震災からの東京復興と、戦災直後に開催したアントウェルペン大会を絡めた治五郎先生の言葉は

ベルギー出身のラトゥールの琴線に触れる名演説。

神宮競技場の客席が少なくとも、スポーツの精神の前では問題ではないとの言質をとります。

そこに乱入してきたのが、ベルリン大会でのマラソン日本代表選手の孫基禎選手。

朝鮮半島出身でベルリン大会でマラソン競技で金メダルを獲得しますが、

これが後々まで曰く(いわく)がつくことになってしまいます。

彼自身は日本の競技関係者と親しくしていたようですが。

(※ベルリン大会は前畑選手フィーチャーで終わる予感がするので、一応言及)

 

ラトゥール氏をいろいろと連れまわしていたのは事実のようですが、

その連れまわした道を「富久」と被せて説明していたのはわかるとしても、

「目黒のサンマ」を見させたり、子供の遊び場に乱入したり、日の丸弁当を食べたり、

ということはさすがに史実としてもなかったかと思われます。

でもそれが話のオチへの重要な伏線となりましたし、見ていて面白かったから別にOK。

 

 

(熊本は佐賀とは違う。そして逆神・治五郎先生が最後に叩いたデカい口)

四三は東京大会招致活動を治五郎先生に頼まれ、家族の許しを得て東京に向かいますが・・・?

治五郎先生はラトゥールへの最後の訴えで、招致活動での不義について漢らしく謝罪。

杉村も責任を取ってIOC委員の辞職を直接伝えます。

そしてラトゥールが最後に放った言葉とは? そして四三は?

 

姑に東京行きの許可を直訴する四三は、無事に認められて大喜び。

でも姑は「あんたがいなくなると寂しいんだよ、もう私たちは実の親子だろう」と心情を吐露。

四三は感極まって姑に抱きつきます。

ちょうど同じ頃に再放映されている『おしん』では、佐賀の旦那の実家で

赤の他人たる嫁のおしんが姑に虐められ続けているのですが・・・

これは熊本と佐賀の差では無いことに注意しましょう。

佐賀にも良い人はいるでしょうし、熊本にも嫌な人はいるでしょう、という意味です。

それにしたって『おしん』は観ているだけで辛くなる、けれども続きが気になって仕方がない・・・

 

 

話を『いだてん』に戻します。

 

治五郎先生はIOCの禁じ手である政治決着を謀ったこと告白し、ラトゥールに土下座で謝罪。

杉村も併せて責任を取ることになりましたが、これは日本が孤立化の道を進む中で

かつての外交官として果たせる仕事が東京大会招致しか残されていなかったという

悲しい現実の中では、他に取るべき選択肢はなかったのでしょう。

そんな彼の思いもすべて時代の荒波にもまれてしまうことになりますが。

 

治五郎先生は続けます。

「約束しよう! 東京大会を最高のものにする」「あなたの顔には泥を塗らない」

⇒もうやめて! これ以上悪いフラグを立てないで!

(解説:東京大会は開催返上、ラトゥールの顔に泥が塗られまくります。その頃の治五郎先生は墓の中)

 

しかしなが、そんな未来を知る由もないラトゥール会長はご満悦となって

東京大会開催の確約を実質的に明言することになりました。

 

そして四三は東京に戻り、決着の地・ベルリンでは・・・?