さまざま分野の国産表示
国産、日本産という言葉自体はさまざまな分野において使われているワードです。そもそもの言葉の定義として
国産:自国で生産・産出すること。また、その
産物。その国の産物。
日本産:日本で作られたもの。
となります。各分野においてどのような使われ方、捉えられ方をしているかを調べてみました。
医療業界の国産・日本産
医療製品が枯渇してしまうことは、患者の命に直結してしまいます。継続的な医療を提供するためには、高品質・安定供給を望める製品を選ぶことが肝心となります。
医療製品は海外輸入品に頼っているところが多く、戦争の影響や、コロナの影響で輸入遅延、欠品は数多く起きております。一般家庭においても、コロナ初期の頃、中国からサージカルマスクが輸入できず、どこにもマスクが売っておらず苦労したかと思います。当時、医療業界も医療の継続が危ぶまれるほど、マスクは品薄になっておりました。
医療業界において国産・日本産に求めることは「安定的な供給」となるかと思います。つまり、国内の大規模災害時は別ですが、今回のような戦争・コロナのような海外の影響を受けにくい、日本で製造していることが、日本産というキーワードに感じる安心感だと考えます。
↓材料も製造もすべて日本産のマスクです。
食品業界の国産・日本産
厚労省から出ている、「輸入食品の監視指導・統計情報」では輸入検疫ににおける違反割合では中国が一番多くなっております。
中国産に不安を感じてしまう方も多いのではないでしょうか。食品に対しての不安、それは「人体に直接取り込むモノが人体に悪い影響を及ぼさないか」につきると思います。
裏を返してしまうことで、日本産であれば安心といった安易な、しかしながら洗脳に近いようなかたちで我々は日本産の食品が安心だと思ってしまっていると思います。
しかしながら日本産だからといって大丈夫かというと、本当はそんなことはなく、日本産でも危険な成分や怪しい製造を行い、食品偽装問題まで発展してしまうケースだってあるのです。
ただ、何故だか食品業界において国産・日本産というキーワードを使用されていると安心と感じてしまうのは、海外輸入品への不安の裏返しなのだと思います。国産って高いですよね。
ちなみに和牛と国産牛の違いを聞いたときは驚きました。
服飾(アパレル)業界の国産・日本産
あまりアパレル製品でMADE IN JAPANのものを見たことは無いのではないでしょうか。
アパレル製品の国産比率は3%以下に減少しております。どの業界にもいえることですが、国内製造は人材不足や海外と比べて人件費が高いなどの問題があります。
アパレル製品で「あ!これMADA IN JAPANで安心だから買おう!」とはあまりならないと思うのですがいかがでしょうか。
例えばMADE IN CHINAと書かれていると、その製品が大丈夫なのかを疑ってしまったり、MADE IN ITALYと書かれていると品質が高く良さそうと思ってしまうことはあるのではないでしょうか。
つまり服飾業界においての国産・日本産については、まだまだ日本で作られることの安心感やこだわりが付加価値として浸透していないため、ブランド力のある国の製品の需要が高まるのだと考えます。
安心はブランド力
3つの業界の例をあげましたが、国産・日本産に感じる安心とは、展開する事業によって求めるポイントが違うということがわかりました。
ただ共通するのはやはり、「国産・日本産というキーワードがあるだけで安心と感じる感覚になっている」というあいまいな結論になってしまいました。
今後はもっとこの点について抽象化し、深掘りをして国産・日本産のブランド力を活かせるのか考えたいと思います。
