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日々好奇心の趣くまま

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最初に少々ぼやかせていただきますが…

2月頃から幾分か時間ができてきたので、時間を融通して北関東や東北に車中泊をしながら何度か撮影旅行に行っておりました。
しかしながら出かけるタイミングを見計らったように毎回行く先々で冬の嵐や季節はずれの大雨に見舞われ、狙っていた被写体はまったく撮れず… 
ある程度は天候の概況を確認して出かけたのだが、温暖化の影響なのか、なにやら昨今天候の変動がカオスになってきているような気がします。


そんなこんなしているうちにすでに桜の季節。
という按配で今季の厳冬期の撮影は不完全燃焼に終わってしまいました。

さしあたっては数少ない束の間の好天の合間に撮影した冬景色を何枚か。撮影場所はまちまちなので省略。

 

 

 

 

 

 


厳冬期の最も美しい時期は逃したけれども、残雪期はまだまだ続く。
 

事の発端は昨年購入したGH5。


外部のシステムからカメラをコントロールしたいので時間を見つけてはカメラの制御プロトコルを解析しているのだが、どうもうまく行かない。以下、自身のメモ書きを兼ねて。

現状GH5を外部からコントロールできる経路は3種類

1. レリーズ端子
2. Wifi
3. USB

1は最も単純だがシャッター半押しと前押しの2つの操作しかできない。

2はカメラ側がAP、スマホ側がSTAとして接続確立後、専用アプリ"Panasonic Image App"というアプリを使用して各種コントロールでき、その通信プロトコルはパケットを抜き出してみると以下のような感じ。


HTTPプロトコルを使用しているようでWifi接続さえできれば基本的な制御ならできそうなのだが、どういうことかスマホ以外・例えばPCからWifi接続を試みると強制切断されてしまう。
それではと思いLinuxマシンやRaspberryPiからも接続を試みるがこれも同様に切断される。
Wifiの下位のプロトコルは余り詳しくないのだが、どうやらスマホ以外から接続されると強制切断する仕様になっているみたい。
スマホ用のアプリを自作すればよいのだろうが、現状そのスキルを持ち合わせていないのでとりあえずWifiコントロールは保留。

3の機能はファームウェアver2.0から使えるようになったが、まだ時間がなくてあまり解析できていない。
"LUMIX Tether"というアプリから制御できるのだが、カメラ制御によく使われるPTPプロトコルの拡張とかの単純なものではなさそう。更にUSB3.0必須でそれなりのマシンパワーが必要そう。
ということでUSBコントロールも現状保留中。

当面の策として(最小限のことしか出来ないが)1を使って外部からコントロールできるようにしてみた。

各社カメラのレリーズ端子の仕様はここに詳しく書かれている。この記事は永久保存版だと思う。
 

レリーズ端子の仕様に関してはとりわけIEEEで規定されているわけでもないので各社各様だが、いずれにしても端子を短絡させるだけなので回路的には簡単に制御できるし、端子の物理的形状以外の部分は共通化できる。

今回製作したのはArduinoUNOの上に載せて使うこういうもの。
 

 

部品はほんの数個しか載っていない。主要部分の回路図はこんな感じで至極単純。
 

 

写真の白い部品はフォトカプラとか光アイソレータと呼ばれるもの。これを挟むことによって、制御する側(Arduiono)とされる側(Camera)の電源系を分離したままON/OFFすることができて、仮にAuduino側で変な配線や操作をした場合でもカメラ側に損傷を与えることが(ほぼ)なくなる。

 

CAMERAx_RELEASEとCAMERAx_GNDをカメラ側の半押しもしくは前押しの短絡させる端子に接続。
ArduinoからはARDUINO_Dx端子に0.1秒かそれ以上のパルスを与えることによってカメラ側の端子が短絡して半押しや前押し状態にすることができる。

さしあたって2端子を独立制御できるので、Arduino側のプログラム次第で2台同時シャッターなどいろいろな制御が可能。 

GH5と5D3を繋げた図。

 


 

更に端子を増やせばマルチカメラで面白いこともできそう。
端子ケーブルは自作のものと以下のようなモノが各社カメラ向けに密林で売られていたのでそれを使用。(現在は入手不可の模様)
 

JJC リモートコントローラー用 ケーブル (JJC Cable A for キヤノン C1)


ただし現在でもebayやAliexpressなら同じ製品が売られている。
 

 

邦題は「ゴッホ~最期の手紙~」。

 

 

世界初の全編が油彩などの人力画で製作されたアニメ映画ということで、物語の内容以上に技術的な興味があって久しぶりに映画館へ行って参りました。
そのメイキングが以下。


 

 

実写を元にそれをトレースするように人力で絵に置き換えて一枚づつ撮影していく気が遠くなるような行程。見るからに辛そう…

連続する油彩を繋げて動画にするとノイジー過ぎて見る側は疲れてしまうのでは…と懸念していたのだが、そのあたりは上手く出来ていてフレーム毎の油彩を作るのではなくシーン毎に一枚背景の油彩を用意してオプティカルフローが発生する部分のみ上から描いては消してを繰り返していく手法を取っているようで、落ち着きのある動画で最後まで見ても疲れることはなかった。

彼の代表作La Nuit Etoileeが大画面で動き出すのは圧巻。
 

ところで、一方思ったのが(もちろん手作りである付加価値とかは別として)このあたりの作業は現代の技術ならばほぼ機械任せでできるのではなかろうかということ。

写真や映像から油彩をエミュレートする方法論やソフトはPC黎明期から結構あって、古いところで出来のいいのはGIMPressionistとか。もうアップデートは行われていないみたいだが…


現役のもので有料の出来のいいものだとこれとかこれとかこれ。 

この映画がそのまま作れそうな動画用のこんなのまである。

 

更に本物の絵画と見分けがつかないレベルの3Dプリンタを使ったこんな技術がすでに実現しているらしい。
 

 

こうして見てみると芸術の分野でも人間しかできない作業というのが次第に限られてきているような気がする。
そのうちインスピレーションやクリエーティビティとかいう定量化できないものも機械化されてしまうのかも。

話は変わって、映画を見た勢いもあって原始的な絵画風変換のプログラムを自作してみた。

手順は

・元の写真に軽くガウシアンブラー
・ピクセル毎に周辺との明るさの勾配を求める
・勾配と垂直方向にランダム長のラインを描いていく
・ラインの色はその場所周辺の平均値

というこの上なく簡単なもので結果が以下。


 

 


稚拙な出来ながら、こんな単純なアルゴリズムでもそこそこ絵画っぽくなる。
これを大幅に洗練・複雑化すると上記のような有料のプラグインになるのだろう。
こういうアルゴリズムをあれこれ考えるのも楽しいものです。
 

 

 

 

Web界隈では月食写真オンパレードなので屋上屋を重ねるのも気が引けますが、折角自宅で安物600mmで撮影したので一枚貼っておきます。


解説を付け加えると、半分ほど蝕が進んだ頃にブラケット撮影した10枚ほどを位置合わせ後HDR合成、蝕の赤い部分と通常の明るい部分の双方の模様が見えるようにしたもの。
即席で作ったのであまり出来がよくありませんが。


明るい部分はf8 1/200 ISO320、暗い部分はf8 1.3 ISO320なので輝度も含めて(計算間違いがなければ)約10EVほどのダイナミックレンジということになります。

悪天予報で諦めていたため、準備不足でTimeLapse撮影はできませんでした。
 

半月遅れながら、あけましておめでとうございます。


ここ暫くは多忙や諸事情で活動も更新も侭なりませんが、気長にお待ち頂ければと思います。
諸々が落ち着き次第、更新を再開します。


本年もよろしくお願いいたします。