雑用に追われたまま秋が終わりそうだったので、無理やり時間を取ってフェリーを利用して車で四国を巡ってきた。
最近購入した軽量ドローンと共に。
四国と言えば紀伊半島と並んで水の美しい場所でもあり、大小取り混ぜて隠れた名滝が数多くある。
それらをドローンを使って時間の許す限り縦横無尽に撮りまくろうというのが今回の趣旨。
人のいる場所で飛ばすような無粋なことはしたくないので、辺境でアクセスの厄介な場所にある滝をあえて多く選んでみた。
丸一日かけて渡渉や崩壊した山道を往復するものや、パンクや腹打ちの危険のある荒れた林道を延々と行くものや、そもそもアクセス道がなく藪漕ぎと危険な崖下りでようやく辿り付けるものなど、いろいろ。
おかげで人に出会うことはほとんどなかった。
標高の高い場所は既に紅葉は終わっていたが、低地にある幾つかの場所はなんとか間に合った。
被写体に滝を選んだ理由は最近滝巡りと沢登りに嵌っていることもあるのだが、もう一つあって…
このところドローン撮影の練習を繰り返しているうちに、ドローンで滝を撮るというのが実はすこぶるチャレンジングであることが分かってきた。
例えば…
- 概して狭い空間なのでそもそも操縦が難しい。
- 同じく狭い空間なのでGPSが捉えられず不具合多発、運転中に予想外のドリフトを始めてしまうので目が離せない。
- 水流による風に引き込まれる。更にはその風向きがカオスで予想ができない。
- 下は水なので、墜落即ちお亡くなり。
- 水の上は高度センサーが不安定。
- 樹木のおかげで飛翔範囲がかなり限定されてしまう。樹木にぶつかったらおそらく墜落で即お亡くなり。
…という感じでとにかく難しい。
これまで墜落の危機が何度かあったけれども、そのほとんどが滝撮影の時だったりする。
とりわけ開けた壮大な滝より閉鎖空間のこじんまりした滝の方が格段に難易度が高い。
とにかく場数をこなして傾向と対策を体に叩き込むしかない。
ただしマイナス面ばかりではなく、プロペラの風のお陰で飛沫が飛ばされてレンズに付きにくいという現象のおかげで一眼では撮影が難しい場所でも思いのほか良好に撮れたりもする。
旅の間はいつもながらだけれども町で食料を仕入れては林道泊を繰り返しながら撮影の繰り返し。
体にも精神にも車にもかなりハードな旅だったけれどもそれなりの収穫があった。