紀伊半島の南は沿岸を流れる黒潮とその山がちな地形のお陰で降水量が多く、更にその大量の水が急峻な地形に沿って短時間で海まで流れるため本当に美しい渓流が無数にある。
アクセスの悪さが幸いして環境が荒らされずに残っているという側面も。
和歌山などは最近「水の国」と称して観光の呼び水にしているみたい。
地図をよく見てみると実は紀伊半島=和歌山ではなく、和歌山・奈良・三重の三県が紀伊半島を三分していて、いずれも美しい場所満載なのだが。
そんな人間側の事情はさておき、感覚的に紀伊半島の渓流は四国や東北や北海道などの美しい渓流と比べても遜色がないばかりか、格段に水の色が多様で表情が豊かなように感じる。
関東からはアクセスがかなり大変なのだが(というより近畿圏からでさえ結構大変)、大阪に帰郷したついでにちょっとばかり南紀の渓流を撮り歩きしてきました。 もちろん主に水中狙いで。
多くの渓流は最低限の林道が沿っていて、悪路・狭路での運転さえ気をつければある程度の奥地までは車で行ける。崩落で引き返した場所もあるが。
釣り用に沢に降りられる獣道も多数あり、ご丁寧に「入川道」との看板が付けられているので探索がはかどる。
景色や色の綺麗な場所を見つけては降りて撮影の繰り返し。
それを越えて更に上流に行こうと思うと道はないので沢登りをする必要がある。
蒼い淵、翠の淵、ひたすら透明な淵、ただし場所によってはヤマビル襲撃が激しくて断念したところも。
できればもっと時間をかけてこのあたりの渓流や沢を撮って歩きたいもの。
常緑樹も多いので5mmウエットスーツあたりを着込んでヒルのいない寒い時期を狙う方がよいのかもしれません。