実は三陸海岸に来た主目的はこの絵を撮ることでした。
ずっと昼間にあちらこちら探索していたのも、これを撮りたいためのロケハンを兼ねていたりします。
高所俯瞰・海原・月の光の3つが揃うとそれらの相互作用によってそれはそれは美しい絵になることは今まで無数に海岸探索や島旅をしていて体感している。
月の明るい夜に高所から見渡すと海原には月が反映して壮大な光の道ができる。
もしくは強風による荒波が作り出す飛沫を長時間露光すると海面に紗のような美しいパターンを描き出し、そこに印象的な岩礁があればそれだけで非常にフォトジェニックな風景となる。
満月前後における強風の三陸海岸というのはこれらすべての要素を満足する場所。絶好のタイミングかつ滅多に来られない場所ゆえ、昼間の歩き疲れや睡魔と闘いながらなるべく多く撮影した。
必ずしも頭で描いていた通りの絵になったわけではないが…
当然のことでもあるのだが、多くの場所をロケハンしたものの結局は人工的な展望台からしかこういう高所俯瞰の絵は撮れないことを実感した。
もちろん岩礁はいたる所にあるのだがほとんどの場合樹木が邪魔になって撮影に不適。いい場所があったとしても断崖の上の不安定な場所のため夜中に踏み込むにはあまりにも危険過ぎたり。あと、クマの危険も。
展望台のようなアクセスの簡単な場所で撮るのはあまり達成感がないのだが、今回実地調査した限りではそれ以外の選択肢はないようです。