Timelapse撮影用にずっと使っていた米国製の軽量ドリー。

改造を加えて更に軽量化をして使っていたのですが、必須部品が中実のステンレス製のため、やはり登山で携行するにはまだまだ重いのです。
ドリーや付属品一式を登山で持参する場合、荷物の重量増加のために一般的なコースタイムの1.5倍ほどの時間マージンを取らざるを得ません。
また極端な話、例えばこの機材を持って大キレットを縦走…などしようものならバランスを崩して滑落…ということも十分考えられます。
要は製品としてのドリーは、安定性を確保するためにある程度の重量が必須で、結果的にそれが更なる軽量化を阻んでいるという次第です。
ということで今回思い切って、「登山で携行できる最低限・最軽量ドリー」の自作を目指して設計を始めました。
また同時にいつも超過で悩んでいる航空機持込重量制限への対策という目的もあります。
新ドリーで重要視する点は
・部品はほぼすべて中空アルミもしくはアルミ板。
・安定化用の重量が必要な時は周りの石や荷物を利用する。
・ドリーが軽量でもなるべく安定させるため、カメラ+雲台の重心がセンターから外れないように調整できること。
・材料はなるべく普通のホームセンターで入手できること。
・駆動系はもちろん実装。
・セットアップがなるべく短時間で行えること。
・できればトルクを確保して垂直方向にも駆動もしたい。
妥協すべき点として
・堅牢性。例えばアルミレールはステンレスより格段に強度が弱いので、持ち運びは注意が必要。
・安定性。例えば強風が吹いた場合など。そもそも強風の時はあまりまともな絵が撮れないことが多いし、とりあえず重心を低くするなどして対処。
・二軸・三軸駆動。上部が重くなると更に安定性が低くなる訳で…これは次段階の課題として保留します。
新ドリーの外観は(たぶん)こんな感じになる予定。

両端の棒がレールとなり、その上を車輪が往来する感じです。両端の脚はまだ考え中です。
駆動系はまだ設計中ですが、車台の裏にステッピングモータ+減速機を設置予定です。
以前はチェーン+スプロケット方式で駆動していたのですが、現場でチェーンを解いて、長さを調整して…と、これがなかなかセッティングに時間がかかる方式だということが判明。
今回はこの方式をやめて、ラック+ピニオンで直線駆動を行おうと考えています。
真ん中の角棒の裏にラックギヤを貼り付けて、車台に付いているピニオンで駆動する。要はアプト式機関車と同じ方式です。これならスピーディに設置ができる(はず)。
まあ、うまく行くかどうかはやってみないとわかりませんが。