かつてから念願だった紅葉期のトムラウシ山へ登るために久しぶりに北海道に行ってきました。
登山口へ最寄の空港は帯広なんですが(それでも100km以上ある)、フライト本数が少なくて全般的に運賃も高いため、千歳空港から軽レンタカーを借りて現地に向かうことにしました。道東自動車道で160km東に走り、更に内陸に60km以上。ほぼ東京-浜松くらいの距離です。
更に登山道玄関口であるトムラウシ温泉(泉質最高です)の手前10kmはダート道。極めつけはトムラウシ温泉から短縮登山口までの林道で、それはそれは酷い凸凹道で、本来であれば2WDの軽自動車なんかで行くべきところではなさそうです。
本州の酷道などはよく走ってますが、現役の道路でここまで酷いのはそうそうありません。後半になるほど急勾配+凸凹+滑りやすいというかなり上級者向けの林道で、何度かバック&助走で乗り越えました。もちろん車高の高い4WDなら問題はないようですが。
さて、登山玄関口であるトムラウシ温泉・東大雪荘にはトムラウシ情報掲示板があるのですが、それを見るとほぼ連日クマが出没とのこと。元々クマが多数生息する地域、遭遇を覚悟して入山せざるを得ない状態です。
トムラウシ温泉で入浴後、悪路を運転して短縮登山口で車中泊、翌日の日の出前から歩き出します。
トムラウシへの登山道、距離的にはたいしたことはないんですが、前半がひどい泥道、後半が状態の悪いゴロタ道という百名山の中でも屈指の悪路として有名なコース、軽装の日帰り客に追い越されながら重い機材を持って喘ぎながら登ります。
悪路を辛いながらも長時間登り下りを繰り返し、トムラウシに近づいていくに従って別世界のような風景が広がってきます。
アイヌ民族にはカムイミンタラ=神々の遊ぶ庭…と呼ばれていた山域、奇岩と高山植物が織り成す景色はとても日本の風景とは思えません。
トムラウシは(上級者であれば)一応日帰り可能な山ではありますが、もちろん星や朝晩の風景を撮りたいので山中で一晩過ごします。
山頂直下にある南沼キャンプ指定地、こんな夢のような風景のテント場です。
北海道の山は基本的には本州と違って山小屋はなく、テント泊がデフォとなります。従って北アルプスのような人混みなどとは無縁の落ち着いた環境です。
つづく。