『AVA/エヴァ』(2020)
BSの吹き替え版で鑑賞。
無慈悲にターゲットを消していく女暗殺者を描くアクション映画。
と思って見たら、実際には家族の内輪話が中心で、思ってたよりも何だかスケールが小さく、女アサシンを主役としたバリバリのアクションというよりは、一人の女性の身の上話といった内容だった。
それでも、まあまあ面白いんだけど、満足感はちょっと微妙。
ジョン・マルコヴィッチ、コリン・ファレル、ジーナ・デイヴィス、コモンなど、結構な面子は揃っているのだけど。
アクションシーンも特に印象的なものはなく、いたって凡庸。
わざわざ観るべき内容ではないかもしれないが、妙に印象に残る映画ではあった。
以下、ネタバレ感想。
エヴァにとって恩師のような存在だったデューク(ジョン・マルコヴィッチ)がサイモン(コリン・ファレル)から無惨に殺されて、その殺す様子をスマホで撮影してエヴァに送信するのだが、それを見たエヴァは復讐の鬼と化すのかと思いきや、妹と婚約している元カレによりを戻そうと迫ってみたり、アル中の治療の為ずっとやめていた酒を解禁してがぶ飲みした挙げ句、銃を頭に突きつけて自殺しようとしたり、何がしたいんだコイツは?と思ってしまった。
デュークはエヴァの命を守るためにサイモンとやり合って殺されたというのに、かたきを討つ事もせずに自殺しようとするなんて、今まで見たことがない展開だな、と。
しかも、デュークは死に際にサイモン打倒をエヴァに託すようなメッセージを残しており、律儀にもサイモンはその最後の言葉をそのままエヴァに伝えてやったというのに、肝心のエヴァはやる気なしというのがねえ・・・。
結局サイモンの方からエヴァを殺しに出向いたから決着がついたものの、あれがなかったらかたきを討つ事もなかったのかも。
薄情だし性格も悪いしで全く感情移入できない主人公だったな。
昨今、こういうクソキャラ主人公が増えてる気がするけど、人物描写にリアリティがあって良いでしょ?(ドヤッ)・・・とでも思ってるんだろうか。
そして、サイモンも器がデカいのか馬鹿なのかよく分からない男で、エヴァと死闘を繰り広げた後、「今度会った時は殺す」と宣言して去ったのに、エヴァが銃を持ってあとを追いかけていったら、怪我した足を引きずりながら小走りで逃げ始めるし(笑)
これには「おいおいおい!今度会った時は殺すんじゃなかったのかよ!」とツッコまずにはいられなかった。
挙げ句、呆気なく撃たれて死んじゃうしさあ(笑)
そもそも、サイモンは何で一人で殺しに来たのか。
本気で仕留める気なら精鋭を集めてかかると思うのだが。
単身で殺しに行くなんてリスクが高いし、それこそ組織を危険にさらす行為だと思うから、サイモンの行動原理と矛盾しているし。
何だかなぁ。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)
MCUはもう二度と観ることは無いと思っていたけど、昨今話題のマルチバースとやらがどんなものかを確認したくて、金ローの吹き替え版で鑑賞。
歴代スパイダーマン3人(トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランド)が揃って、過去の映画シリーズに登場した悪役達と戦うという、シリーズの垣根を超えた夢の共演が実現していて面白かった。
ただ・・・「コイツ誰だっけ?」と思い出せない悪役が何人かいたし、過去作の内容自体もほとんど覚えていないので、夢の共演に胸熱になるという感覚は無かったけど、異世界のスパイダーマン3人が共闘するだけでも観る価値はあったと思えた。
ネットレビューをチェックしてみると、意外と辛口評価が多くて駄作と斬っているレビューが目立ったけど、個人的にスパイダーマンにも過去作にも何の思い入れも無いせいか、特に不満もなく普通に楽しめた。
1回観る分には十分楽しい。ただし、今後観ることは二度と無いだろうけど(笑)
とはいえ、レビューで多くの人達が指摘していた通り、トム・ホランド演じるピーターの支離滅裂な行動には確かに共感はできなかった。
ただ、そんな事すらどうでもいいというか、細かいことなんて気にせず、楽しければ何でもいいよという投げやりモードで適当に観たのがかえって良かったのかもしれない。
ちなみに、覚えていた悪役はグリーンゴブリン、ドクター・オクトパス、エレクトロ、サンドマンぐらいだった。
3人のスパイダーマンの会話が一番面白かったかもしれない。
それぞれ愛する人をどのように失ったか不幸自慢が始まったり、トビー・マグワイアだけウェブシューターなしで蜘蛛の糸を出せたり。
ただ、最後にトム・ホランドのピーターが選んだ道がちょっと切なかったな。
奇遇にも今日ニュース記事になっていたばかりの聖闘士星矢NDと同じようなオチやんと思ってしまった。
マルチバースも初回だから楽しめたけど、他のシリーズ作品も同じようなことをやりだしたらシラけてしまうかも。