アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!(2010)
BSの字幕版で鑑賞。
マーク・ウォールバーグとウィル・フェレル共演のアクションコメディだが、これってどちらかといえばウィル・フェレルの方が主演なんだろうな。
このウィル・フェレルという人はコメディアンらしいけど、コメディ映画に疎い私は全く馴染みがない。
マーク・ウォールバーグとウィル・フェレルが勤務するニューヨーク市警にはセレブ級の人気を誇る2人組の花形刑事がいたが、捜査中に事故死してしまう(この死に方が面白い)。
マーク・ウォールバーグは野心家で、これを機に彼らの後釜を狙うが、相棒のウィル・フェレルはデスクワークを愛しており、現場での仕事には乗り気ではない。
そんな相棒に鞭を打って何とか大きな事件の手柄を上げようと奮起するマーク・ウォールバーグだが、捜査していく中で相棒の意外な過去が明らかになっていく・・・といった話。
ハッキリ言って大筋に大した意味はなく、頭空っぽにして楽しむおバカ映画。
割と日本人でも笑えるようなネタ(下ネタ多めw)が多く、向こうのコメディにしては面白い方ではあるのだが、如何せん私がコメディ好きではないからか、冒頭40分が経過した時点で既に1本の映画を観終わったぐらいの長さに感じてしまい、ここからまだ1時間も残っているのかと思うと気が重くなってしまった。
つまらなくはなかったけど、別に観なくても良かったと思うような内容だった。
マーク・ウォールバーグは、とりあえず出ているだけである程度は満足させてくれる稀有な魅力を持った俳優なので、もし主演が彼ではなかったら観ることもなかっただろう。
マーク・ウォールバーグとウィル・フェレルだったらどう見てもマーク・ウォールバーグの方がカッコいいのに、どこに行ってもホットな女性から色目で見られるのはウィル・フェレルの方だという設定が本作をユニークなものにしていた。
冒頭で事故死してしまう花形刑事のバディを演じているのはザ・ロック様とサミュエル・L・ジャクソンという無駄に豪華なキャスティング。
上司役にマイケル・キートン、悪役にレイ・スティーヴンソン、ウィル・フェレルの妻役にはエヴァ・メンデスと、メインのキャスティングは良好。
アクションシーンはこの手のコメディ映画ではお決まりのスローモーションを多用した笑い重視の野暮ったい銃撃戦が主なので、特に見応えらしいものはない。
マーク・ウォールバーグの部屋にスタローン主演の『コブラ』のポスターが貼ってあり、フィル・コリンズの『Against All Odds (Take a Look at Me Now)』が流れたりするのが、80年代ネタ好きにとっては嬉しいポイントだった。
ただ、やっぱりコメディ映画は何を観ても好きになることはないなぁ。
コードネーム:バンシー(2022)
スターチャンネルの字幕版で鑑賞。
女性が主人公の殺し屋映画ということでどんなものだろうと楽しみに観てみたものの、アクションもストーリーも凄く微妙で見所に欠ける映画だった。
ネットのユーザーレビューも低評価気味で、観て良かったと言ってるような人がほとんど見当たらないのも納得の内容。
主演の女優さんも魅力があるんだか無いんだかよく分からないし、銃撃戦もショボくはないんだけど特に見応えがあるわけでもないしと、本当にどこを取っても中途半端で「微妙」以外の言葉が出てこなくて困ってしまう。
主人公の師匠役でアントニオ・バンデラスが出てくるのが僅かな救いとなっているぐらいか。
主人公が父の死の真相を突き止めようとする話だけど、その真相にしても大した話でもなかったし…。
途中で観るのをやめたくなるほどつまらなくもなかったけど、ハッキリ言って観る価値はないと思う。
2022年でまだこのレベルなのか・・・というのが率直な感想かな。
この手のアクション映画は、やはり役者さんの魅力によるところが大きいと思うんだけど、このジャンルを活気づけられるようなスター性のある役者さんが育っていないのが深刻な問題に思えてならない。
フリー・ガイ(2021年)
スターチャンネルの字幕版で鑑賞。
いきなり結論から言ってしまえば、今回の3本の中で唯一オススメできる映画。
ある日、自分が現実には存在せず、ゲームの中のモブキャラでしかない事を知った主人公が、ゲーム内の世界「フリーシティ」を変えようと自我に目覚めて奮闘する話。
設定としてはちょっとマトリックスにも似ているけど、こちらはコメディ寄りで妙な哲学なども語られないので、誰もが気楽に観れる娯楽作となっている。
馬鹿っぽくて軽いノリなのは『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』にも似ているが、内容的にはこちらの方が面白い。
基本的にはゲーム内の話なので、アクションシーンは荒唐無稽をやりたい放題。
終盤に敵から致命的な一撃を食らいそうになった際、咄嗟にキャプテンアメリカの盾を発動してガードし、そこからハルクの腕を出して殴り飛ばすなんていうメチャクチャな戦闘も可能で、ロックマンのロックバスターも飛び出したし……
しまいにはライトセーバーまで起動してしまう(笑)
物語はゲーム内とゲーム外、それぞれの世界で並行して展開していく。
ゲーム外の現実世界では、フリーシティの原型を作った2人のプログラマーと、その原型を盗用してフリーシティを作り財を成したゲーム会社の社長の戦いが描かれる。
ちなみに、そのゲーム会社の名前はスナミスタジオなのだが、ゲーマーならこのネーミングの元ネタがコナミだと推測するのではないかと思う。
そういった小ネタも含めると、本作はゲーマーならより一層楽しめる内容なのではないかと思うが、ゲーマーでなくとも普通に面白い内容だと思う。
何故ならオンラインゲームは一切やらない私でも問題なく楽しめたから。
しかし、フリーシティの世界観というかビジュアル面がどことなく『フォートナイト』を思わせる下品なケバケバしさがあり、見ていてちょっと疲れるというか、あまり心地良いものではないとは感じたけど。
人によっては幼稚に感じてつまらないと思うかもしれない。
しかし、バカバカしい内容ながらも、最後はちょっとホロッとさせられたりと、娯楽映画の王道を行くような内容で良く出来てはいるので、この設定に興味を持った人なら一見の価値はあるのではないかと。
今世紀に入ってからのハリウッドは、どれもこれもやたらシリアスな映画ばかりになっていい加減ウンザリしていたので、本作のように陽気で良い意味でのバカバカしさに溢れる作風の映画が出てきたのは良い兆候のように感じた。
ただ、先程も少し触れたけど、繰り返し何度も食べたいとは思えず、一度食べれば十分かなと思うようなクドさを感じるテイストなので、個人的な好みから大絶賛とまではいかないのが少し残念だった。
でも、少し時間を置いたらまた観たくなるのかもしれない。