【劇場鑑賞】『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』 ネタバレなし感想 | 後追い80's

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80年代カルチャー発掘備忘録

 

ちょうど1週間前、レイトショーで『エクスペンダブルズ ニューブラッド』を観に行こうか時間ギリギリまで迷いましたが、レビューで言われていたいくつかの理由からやめておきました。

 

その代わりとして観に行ったのが、今回の劇場版SEED・・・というのは冗談で、最初から観に行く気満々でした(笑)

 

というわけで、感想にいく前にまずは私とSEEDの関係性から。

 

私がガンダムに興味を持ち始めた2002年の秋頃、ちょうどSEEDのTV放送が始まったばかりでした。

 

まずはファーストガンダムから入ってガンダムにハマった私は、当時放送中だったSEEDも観始めたわけですが、あのキャラデザが超苦手で最初は本当に観るだけでもしんどくて、こんな物を観ている自分を恥じて耳まで真っ赤になっていたぐらい(誰に見られているわけでもないというのにw)抵抗がありました。

 

話の内容自体もファーストガンダムのパクリ(良く言えばトレースもしくはオマージュ)だったので、ファーストを観たてだった私には何の新鮮さもなく、ガンダムファンになったばかりという義務感だけで我慢して観続けていたようなところがあります。

 

しかし、続編となる『ガンダムSEED DESTINY』の時は何故か放送開始前から楽しみで、電撃ホビーマガジンなどの雑誌を買って新情報をチェックしていた時のワクワク感はよく覚えています。

 

いざ放送が始まると、新たな主人公シン・アスカを中心とした話が面白くて毎週放送日が楽しみなぐらいで、ちょうど職場にもガンダム好きな人が何人かいたので、その人達とDESTINYについて学生時代のようなノリでワイワイ語り合えた事は良い思い出です。

 

ただ、やはりキャラデザやモビルスーツは根本的に好みではないので、あくまでも物語の展開が面白いから観ているだけのにわかファンに過ぎなかったのですが。

 

現在でもSEED関連のグッズが欲しいとか、関連書籍を読みたいなんて気持ちはゼロに近く、作品に対する思い入れもあるのか無いのかよく分からない程度です(笑)

 

勿論、初めてリアルタイムで観たガンダムのTVシリーズだし、20代の頃の思い出も重なったりして自分の一部にはなっているので、それなりの思い入れはあるのですが、今後またTVシリーズから観返していきたいといった気持ちは全くありません(笑)

 

ただ、単純に面白さだけで言えばガンダムシリーズの中でもトップクラスだとは思っています。

 

 

そんな私のSEED感を説明したところで、ようやく劇場版を観た感想です。

 

事前にネタバレなしのネットレビューをチェックしていましたが、10件中8件ぐらいは絶賛、そして残りの1~2件が酷評といった感じで、賛否が極端という印象でした。

 

私の予想では、恐らく自分は絶賛寄りになるような予想をしていましたが、結果から言いますと概ねその通りとなり、ほぼ期待していた通りの内容だったと言えます。

 

星5つで評価するなら、星4つぐらいでしょうか。

 

通常の劇場料金よりも少し高めでしたが、その価値は感じられました。

 

 

不満な点もこれといって思い浮かばないぐらいで、期待していたものや長らくずっと待ち続けていたものをしっかりと見せてくれたという感覚しかないですね。

 

私は珍しくSEEDよりも圧倒的に続編のDESTINY派なので、そのDESTINYの続きとなる物語を観る事が出来ただけでも満足ですし、しかもそれを劇場で観れたことが嬉しかった。

 

ただ、SEEDシリーズ未見の人が楽しめる内容ではなかったですね。

 

あくまでもSEEDとDESTINYを観てきたファン限定のお祭り映画なので。

 

 

今回は地元のシネコンでも最も設備が優れているプレミアムシアターで上映されていたので、ドルビーアトモスを初体験できました。

 

でも、内心「そういう映画じゃないから」とツッコミを入れてしまいましたが(笑)

 

要はドルビーアトモスが真価を発揮するような題材ではないと感じたわけで、出来ればこれはハリウッド大作で体感してみたかったですね。

 

実際、音の迫力や臨場感に感動を覚えるような印象はほとんどありませんでしたし(笑)

 

とはいえ、あのSEEDを劇場の大迫力で観ている事には喜びを感じましたけど。

 

昨年辺りだったかDESTINYの再放送を観ていたこともあり、懐かしさのような感覚は皆無で、むしろ昨日まで普通に観ていたような感じしかなかったですね。

 

 

物語の内容的には、昔の東映まんがまつりを彷彿させるものがありました。

 

要するに原作には登場しないオリジナルの敵キャラと戦う展開になる、あのお祭り感覚です。

 

でも、東映まんがまつりの場合は番外編というかパラレルワールド的だったのに対し、今回は正真正銘の続編ですから、そこはちょっと意味合いが違うんですけど。

 

 

ユーザーレビューで結構目立っていたのは「安っぽい」「薄っぺらい」といったワードでした。

 

でも、実際に観てみて…「SEEDなんて昔からずっとこんなもんだったよ?むしろクオリティ上がってると思うんだけど」というのが私の率直な感想です(笑)

 

だから、今回の劇場版に失望している人というのは、よほどSEEDに特別な思い入れがあったんだろうなと。

 

うんうん、そういう気持ちはよ~く分かりますよ。

 

だから否定するつもりも全然ない。

 

多分この20年近くの間であなた達が成長しただけなんだわと思いました(笑)

 

それぐらい良くも悪くも何も変わっていない。

 

「まあ結局、最後はそうなるよね」ってお決まりのパターンに落ち着くし。

 

でも、奇をてらって妙な逆張りなんかに走らず、ファンがSEEDに期待していた事をしっかり遂行してくれた感じが良かった。

 

新鮮さは無いかもしれないけど、SEEDはこういうのでええんです(笑)

 

実は今回の劇場版って、SEEDシリーズに大して思い入れが無い自分のような人間ほど楽しめる内容なのではないかという気もしました。

 

 

SEEDシリーズに深みだとか厚みなんてものはありません。

 

良くも悪くもペラッペラの紙切れみたいなのがSEEDの個性ですから。

 

だから、このシリーズに深みのようなものを期待するようになってしまったら、もう楽しめなくなるような気がします。

 

あくまでもジャンクフードのような作品だと理解して味わう必要があるんじゃないかと思うんですよね。

 

ジャンクフードにはジャンクフードにしか出せない味わいがあるわけですから、結局それを楽しめるかどうかという話ではないかと。

 

といっても、無理に楽しもうとする必要なんて無いんですけど。

 

 

ガッカリしているファンの方達の言い分に水を差す気なんて毛頭ないのですが、皮肉でも煽りでもなく、本当に何がそんなに不満だったのか私には分からなかったんですよね。

 

そんな失望するようなシーンなんてあったかなぁ…と考えても何も浮かんでこないので。

 

それが分からないという事が、恐らく「思い入れの差」なのかもしれません。

 

 

とりあえず私は長らく待った劇場版が本当に実現して、それを楽しむことが出来ただけで満足しています。

 

ただ、「感動した」とか「こみ上げてきた」とか「涙腺が緩んだ」とか「興奮した」などといった感情はほとんどなく、単純に楽しかっただけで、それ以上でもそれ以下でもなかったですけどね(笑)

 

しかしたったの2時間でDESTINYの続きの話として、よくぞここまで綺麗にまとめて見応えある内容に仕上げたものだと感心させられました。

 

 

映画の評価というのは、観終わった後の余韻や心境が重要になってくると思うのですが、劇場から帰宅した現在、割と幸せな気持ちになっているので、自分にとっては良い映画だったという事なんでしょう。

 

とはいえ、ガンダム映画の最高傑作かといえば、それも違うような気がします。

 

単純に「エンタメとしての面白さ」だけで測るのであればそれもアリかもしれないけど、作品としての評価となると、やはり逆シャアは超えられていなかったと思いますしね。

 

ただ、私が劇場で観たガンダム映画(00とNT)だけで言うなら本作が最も満足感が高かったような気もします。

 

興行的にも大成功しているようですね。

 

しかし、ガンダム映画がここまでヒットする事になるなんて驚きです。

 

少し前…それこそ『ガンダムNT』を観に行った2018年頃には想像もつかなかった光景ですから。

 

ガンダムでもここまでヒットを飛ばすことが出来るものなんですねえ。

 

 

ここに書けなかった具体的な感想は、改めて「ネタバレあり感想」の方に書く予定です。