【80年代洋画】『ネバーエンディング・ストーリー』『ゴールデン・チャイルド』 | 後追い80's

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80年代カルチャー発掘備忘録

 

 

『ネバーエンディング・ストーリー』(1985)

 

 

 

先日放送されたBS日テレの字幕版で鑑賞。

 

この映画を初めて観たのは、確か2010年代前期辺りだったと思うけど、その時の感想は「雰囲気はそれなりに好きだけど・・・」という程度のものだった。

 

そのせいか、内容もほとんど覚えておらず...。

 

しかし、あれから80年代洋画をたくさん観てきて、当時の映画を楽しむコツ(経験値?)を掴めてきた今なら、前回よりも楽しめそうな良い予感はしていた。

 

そして、その予感は間違いではなく、今回は童心に返って楽しむ事ができた。

 

 

物語はファンタジアという世界を救うために立ち上がった勇者アトレイユの冒険を描く内容なのだが、このファンタジアという世界は人間の想像力や夢によって成り立っており、現代社会の人間がそれらを忘れつつあるせいで消滅の危機に晒されているという、なかなかに深い設定だった。

 

80年代なんて、まだまだ夢や想像力に満ち溢れていた時代だったのに、そんな当時でさえ既にこのような警鐘が鳴らされていたとは…。

 

それなら、スマホゾンビだらけの現代はどうなってしまうんだ?と思わずにはいられなかった。

 

消滅どころか、悪魔がはびこる魔界のような世界に変貌している事だろう。

 

このような映画が作られてきても、それを教訓に出来ない人間社会の愚かしさが悲しくなってくる。

 

 

アトレイユが旅路の途中で、悲しみに取りつかれた者は沈んでしまうという「悲しみの沼」に生息する巨大な亀のようなクリーチャーと出会うのだが・・・・・

 

コイツはファンタジアに起こっている危機の事など全て把握しているにもかかわらず、どうでもいいと言い放ってしまう。

 

無関心でいる事によって悲しみの沼に沈まずに生息できているのだとしたら、とても深い話だなと感心してしまいそうになるけど、その一方でドライな現代社会を具現化した存在のようで不愉快な奴にも思えるのだった(笑)

 

 

本作の見所といえば、ラッキードラゴンと呼ばれていたファルコンの存在だろう。

 

七色に光るパールのようなウロコが綺麗だという事に今回初めて気づいた。

 

現代のCGだったら、このような愛らしい存在感にはなり得なかった気がする。

 

本作には、他にも巨大な岩男や巨大コウモリやチビ鬼や人狼など、様々なクリーチャーが出てくるのだが、当時のチャチなビジュアル含めて味があって楽しめた。

 

やはり、この時代のマペットは他には代え難い魅力がある。

 

 

幼い頃、叔父に連れられて繁華街の中心地にあったオシャレな喫茶店のような所に行った際、ホームシアターのようなもの(確かスクリーンとプロジェクターだった)でこの映画が流れていた記憶がある。

 

当時としてはかなり最先端だったので、強烈なインパクトを受けたのだろう。

 

ネバーエンディングストーリーと聞くと、真っ先に浮かぶのはその思い出なので、記憶違いではないはず。

 

 

その次に思い浮かぶのはテーマソングだった。

 

映画自体は観た事がなかったはずだが、この曲だけは子供の頃から知っていた。

 

私が一番好きだったあの時代を象徴するかのような名曲だと思う。

 

 

本作には続編が2本あるらしいが、レビューを見てみたところ、あまり気が進まない内容だった。

 

続編を観てしまうと本作のイメージまで損なわれてしまう恐れがあるので、これ1本で気持ち良く完結した事にしておきたい。

 

本作の最大の魅力は、80年代中期という最も良い時代に製作された事だとも思うから。

 

満足度は・・・78点

 

 

 

 

 

『ゴールデン・チャイルド』(1986)

 

 

 

BSの吹き替え版で鑑賞。

 

1000年に一度生まれるという特殊な力を持った「ゴールデンチャイルド」を連れ去った悪魔から、選ばれし者(エディ・マーフィ)がゴールデンチャイルドを奪還しにいく話。

 

最も勢いのあった80年代中期という時代の映画とは思えないほど、ふやけた内容だった。

 

エディ・マーフィーのマシンガントークも不発気味で、彼の魅力は全く活きていなかった。

 

80年代といえばエディ・マーフィーの全盛期だったはずだが、ここまで冴えない駄作が存在していたとは。

 

Yahoo映画のレビューも2.82という散々なスコアとなっているが、まあ納得の結果でもある。

 

 

ただ、クライマックスで遂にエディ・マーフィーが敵のアジトに乗り込んでチャイルドを奪還し、

勢いに乗って伝説の剣を手に意気揚々とラスボスを片付けに行った場面で・・・・・

 

 

急に燃え始める胡散くさいオッサン(ラスボス)

 

 

次の瞬間、真の姿(悪魔)に変貌する

 

 

調子に乗っていたエディ・マーフィーは一瞬で顔面蒼白(笑)

 

 

なんか取り込んでるみたいね。また出直すわ

 

この一連の流れだけは爆笑してしまった。

 

ここだけはエディ・マーフィーが本領発揮できた場面だと思えた。

 

 

ストーリーは陳腐だし、特殊効果も笑っちゃうぐらいチープだけど(コメディ調なのでこのチープさが逆に魅力として活きてる部分もある)、観ていてつまらなかったかといえば、不思議とそうでもなくて、全然美味しいとは思わないんだけど、何故か食べる手が止まらなくなるお菓子のような映画(笑)

 

ご都合主義すら通り越すほど荒唐無稽な内容・・・だが、それが良い!とも思うのだった。

 

何も考えずダラ~ッと観たい気分の時に最適なので、これはこれでアリ。

 

間違ってもオススメはできない映画だけど、こういうバカバカしさ、私は嫌いじゃないかも(笑)

 

満足度は・・・72点