◆『デューン/砂の惑星』(1984)
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この映画の存在を初めて知ったのは、97年頃に発行されたアメトイ雑誌だったと思う。
砂漠に生息する巨大ミミズ的なモンスターが、SWでタトゥイーンに生息するサルラック(ボバフェットを食ったヤツ)とカブった事で印象に残ったのかもしれない。
しかし、映画としては全く興味が持てない・・・もっと言えば地雷臭しかしなかったので、ここまで一度も観る事なく来たわけだけど、昨年辺りからテレビ放送される80年代の洋画は全てチェックする事に決めたので、遂に観念して観ざるをえなくなってしまったわけだ。
今回はBSプレミアムで放送された字幕版を鑑賞した。
冒頭、いきなり若い女性のアップから始まる。
開始早々ワケの分からない用語を交えながら、セリフのみであらすじが語られていく。
SWで言えば、オープニングロールのようなものなのだろう。
しかし、これがSWと違ってやたら長くて難解で。
冒頭から情報量多すぎのHARDモード(笑)
当時劇場で鑑賞した人の大半は、ここでポカーンだったろうな(笑)
何を言ってるのかもチンプンカンプンで全然頭に入ってこないので、何度か巻き戻しては字幕を読み直しを繰り返す必要があった。
もうこの時点で絶対つまんないだろうなと確信(笑)
だって、掴みからこの有り様なんだもん。
典型的なダメ映画じゃん、これ…って。
そして・・・
こちらのそうした予想を全く裏切らないまま本編は終わってしまった(笑)
同時に、10代の頃の自分が感じ取っていた地雷臭が正しかった事も証明された(笑)
しかも、本編の長さ約2時間半。
この内容の2時間半は、体感的に3時間オーバーに感じられた。
観終わった後は、必死に耐え抜いた自分への称賛と達成感に満ちていた(笑)
本作は80年代当時としては莫大な120億という製作費がかかっているらしいが、そのクラスでこれほどの大失敗作も珍しいのではないかと思う。
何と言っても、色々と分かりにくいのが駄作となった原因だろう。
大筋は理解できたものの、頭の上にクエスチョンマークが浮かんでしまう意味不明な場面があまりにも多すぎる。
例えば、主人公が序盤で様々な予知夢を見るんだけど、これからどんなドラマがあってあの場面に辿り着くのだろうと思っていたら、特に脈略もなく唐突にその状況に放り込まれるだけというオチだったりするし・・・。
そもそもの問題として、ストーリーがつまらなすぎる。
魅力的なキャラも皆無。
あ・・・敵側には面白い奇人キャラが何人かいたっけ。
ハルコネンの部下2人は、ベジータとナッパの元ネタなんじゃないかと思ってしまったし。
あと、ドデカい水槽みたいなのに入って仰々しく出てくるギルドというボスキャラも凄いインパクトがあったな。
ビジュアル面に関しては、色んな意味でシュールとしか言いようがない(笑)
せめてビジュアル面さえカッコよかったりすれば、まだ褒めようもあっただろうに。
カッコよいどころか、悪趣味で気色悪いばかりだもんなぁ。
でも、その悪趣味さが本作の数少ない魅力になっていたりもするので複雑なところだ(笑)
とはいえ、主人公の母親や恋人を演じた女優さん達はやたら綺麗だった。
主人公の宿敵?として歌手のスティングなんかも出ていたりして、全体的にキャスティングは悪くなかったと思う。
というわけで、極めて酷い映画だったわけだけど、不思議と「時間を返せ!」と言う気にはならない。
何かとても不思議な物を見たという奇妙な満足感?に近い感覚すらある。
少なくともインパクトだけは凄かった。
その点、観てもすぐ忘れてしまうような映画よりはまだマシなのではないかと、ちょっとだけフォローしてみる(笑)
しかし、オススメ度は間違いなくゼロ。
いや、マイナスか(笑)
絶対に人には勧められない映画。
「とんでもなくシュールで、救いようもないほど酷い大作映画が観てみたい」という好奇心旺盛なドM体質の人だけどうぞ(笑)
ところで、この映画のリメイクが来年公開になるらしい。
現代の技術で作ったら、一体どんな映画に仕上がるのか気になり始めてしまった(笑)
本作は00年代にテレビシリーズも製作されたようで、不思議な事にその映像を見るとそれなりに面白そうに見えてしまうので、80年代の映画版があまりにも酷過ぎただけなのかもしれない。