12月10日14時半  神奈川県立音楽堂

指揮:大塚直哉
ソプラノ:藤崎美苗 
カウンターテナー:青木洋也 
テノール:中嶋克彦 
バリトン:萩原潤

管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスター:桐山建志 チェンバロ:廣澤麻美 オルガン:徳田佑子
合唱:神奈川県合唱連盟/音楽堂「メサイア」未来プロジェクト合唱団
合唱指揮:岩本達明

師走に行われる代表的行事として、第9、メサイア、忠臣蔵などがあげられるという、
「…という」というのは、私が第9以外は体験したことがないからだ

忠臣蔵については、赤穂浪士の討ち入りが12月に有ったことを知るのみで、それが年末に劇として演じられているのかは定かではない
調べた範囲では、今年の3月に歌舞伎座で「仮名手本忠臣蔵」が模様されるなど、年内に複数回の公演が有ったようだが、残念ながら年末には無し
テレビでも時代劇が作られることが稀になった昨今現代、映画館やテレビで新作の忠臣蔵が制作されたという話は聞かない
というわけで、忠臣蔵は一旦あきらめて、今年はメサイアを聴いてみることにした

しかし、思い立ったのが師走、バッハ・コレギウムならやっていそうだが、Xmasのサントリーホール公演は完売、
それ以外は軽井沢とか、埼玉とか、結構遠い
というわけで見つけたのが本日の公演、本格的な公演ではないかもしれないが、それなりの演奏が楽しめそう
音楽堂は久しぶり、上り坂がきつく席も狭いが、その程度で救われるのなら苦にならない

弦楽は、4, 4, 3, 2, 1、管楽はオーボエ、フルート、クラ、他にもあったような気がするが覚えていない、これにトランペットやティンパニが適宜加わる
神奈川県合唱連盟はシニアが中心、未来プロジェクト合唱団は県内の高校の合唱部のメンバ
また本日はアルトに代わりにカウンターテナーが入った

指揮の大塚さんは初めまして、堅実な指揮ぶりで演奏も良かったのでは、
何より歌手陣、合唱隊が頑張った、3つの高校の連合軍だったが練習も大変だったろう
音楽堂はステージが狭く、未来プロジェクトは全員は登壇できず、途中で交代していた
1部の後20分休憩、ホワイエでは謎の「みかんパン」が売られていたが、行列だったので購入はあきらめた
2部3部は続けて演奏された、曲が終わったのは17時10分過ぎだったが、アンコールにハレルヤコーラスが演奏され、終演時は17時半近くなっていた
気持ちよい演奏会だった、来てよかった

12月9日14時  サントリーホール

指揮:カーチュン・ウォン[首席指揮者]
マリンバ:池上英樹

外山雄三:交響詩《まつら》
伊福部昭:オーケストラとマリンバのための《ラウダ・コンチェルタータ》
アンコール
星に願いを
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47

当初ラザレフが振る予定だった定期だが、やはりラザレフは来日できない
そして今回は、主席になったカーチュン・ウォンがプログラムを一新して代演してくれることになった
インタビューでカーチュン・ウォンは今回の代演は首席指揮者の義務とまで語っているそうだ、頼もしい限りだ
当初の予定曲目にはグラズノフの3番があり、これはこれで興味深いプログラムなのだが、もはや「何でグラズノフを演奏しないのだ」と文句を言う人もないだろう
カーチュン・ウォンが用意したプログラムは、それ程に魅力的な演目であった

最初の《まつら》は今年亡くなった外山さんの追悼の意を込めてのものだろう、
勿論聴くのは初めてだった、日本的な響きで不思議な始まりかただが、徐々に賑やかになり、最後には祭りが最高に盛り上がった
日本の作曲家の典型的な日本的な作品という感じ

ラウダ・コンチェルタータは初めて聴くが、マリンバ炸裂という感じだった
アンコールは一転しっとりと

休憩後の革命が超名演!
カーチュン・ウォンが曲を把握する能力の高さも凄いが、これに応える日フィルの集中力も凄い
チェレスタやハープの音がこれほど分解能高く聞こえたのは初めてかも
とにかく、隅から隅まで行き届いた演奏だった、これ以上この演奏の良さを表現する言葉を私は用意できない
カーチュン・ウォンがコンマスを伴っての一般参賀があった

12月7日19時 浜離宮朝日ホール

ピアノ:務川慧悟

<Bプログラム>

シューマン:子供のためのアルバム Op.68より第30番『無題』
シューマン:4つの夜曲 Op.23
ドビュッシー:前奏曲集第2集より 3.酒の門 5.ヒース 10.カノープ 12.花火
ショパン:ノクターン第6番 ト短調 Op.15-3
ショパン:バラード第4番 ヘ短調 Op.52
早坂文雄:室内のためのピアノ小品集より第12番、第14番
ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲 ニ短調 Op.42
アンコール
ショパン:ノクターン第20番 嬰ハ短調 遺作
シューマン:トロイメライ

推しの若手ピアニストの務川さんが5夜連続の演奏会、月火がAプロ、水木がBプロ、金がABからセレクトということだったのだが
月火水とすでに予定が入っており動かせず、金曜は早々に完売となっていたので、今日のBプロしか聴けない
Aプロも、Bプロも務川さん(以下、敬称略)の想いが込められた選曲で、Aプロが聴けないのは残念至極だが仕方ない

最初のシューマンの選曲が渋い、最初の曲は聴いたことはあるかもしれないが記憶には残っておらず、
4つの夜曲は初めて聴くが味わい深い作品と感じた、今回の連続演奏会の曲目紹介文は務川自身が書いているが、最も謎に満ちた作品と書いている
今回の務川の解説を読むと、それぞれの曲の特徴だけでなく、何故その曲を採り上げたかもわかるので、演奏を聴くうえで大変参考になった
続くドビュッシーも演奏機会が少ない2集から、務川自身1集がカラフルな音のパレットであるのに対し、2集は白黒画で影の世界とまで言っている

後半はショパンのノクターンから6番、演奏機会は少ない曲だが、務川はこの曲の前半は心の影を表し、後半は心のあらゆるものを浄化すると解釈している
務川の演奏する一音々々に意味があり、思い描く世界が見事に具現化された見事な演奏、
単純に比較はできないが、先日聴いたツィメルマンより、心を打たれた
バラードもドラマティックな演奏

昨年のオーケストラ・ジャポニカと演奏で務川は早坂のPf協をしており、今日の2曲はその時のアンコールと同じ2曲
紀尾井ホールでアンコール演奏の前に務川が早坂作品の素晴らしさについて熱弁していたのが思い出される
最後のラフマニノフも実に素晴らしい演奏だったが、曲自体あまり聴き込んでいないので批評は控える

アンコールの2曲は何れもしっとりとした曲、心の籠った演奏だった