11月28日19時 NHKホール

指揮:サイモン・ラトル

バートウィッスル/サイモンへの贈り物 2018
マーラー/交響曲第7番 ホ短調 「夜の歌」

ここ数年、コロナの影響も有ったのだろうが、どうにも出演陣がしょぼかったNHK音楽祭、
去年はフェドセーエフが急病でキャンセルになど不測の事態も重なったが、今年は、ラトルのバイエルン放送響をラインナップに加えてきた
これが目玉になると思いきや、一番人気はデュトワのN響復帰公演で、ラトルの公演は演目のせいか、当日券が販売されており完売とは行かなかったようだったが、会場に入ると、満員に近い客入りであった

定刻を過ぎ、奏者が入場し拍手が起きる、だが管楽器の奏者があらかた着席しても、弦楽器の奏者は入場して来ず、聴衆は一瞬?という雰囲気になるが
程なくラトルがステージに現れて気づく、サイモンへの贈り物は管楽器、打楽器のための作品と解説に書かれていたことを
、曲は音楽祭のファンファーレには丁度良い感じだった、
そして、弦楽奏者らちが入場する間に、遅れて来た客がスタッフに誘導されて、そそくさと席に向かう
この曲は、彼らにとっても贈り物だったようだ

さて肝心の夜の歌だが、残念ながら私の波長とは合わない演奏だった、特に前半
私が初めてマーラーを聴いたのは、DGが出している、クーベリック、バイエルン放送響の巨人だった、
クーベリックのマーラーシリーズは全作品クリムトの作品が使われているのだが、中学生の少年がクリムトを知る由も無かった
しかし、後年マーラーとその時代について知るにつけ、20世紀初めのウィーンの前衛的な芸術運動のことが頭を過ぎる、それが実際どのような雰囲気であるのかは知る由もないのであるが

特に7番には、その時代の雰囲気を想起させるような演奏を期待してしまうのだが、それがどのような演奏なのか上手く説明できず、、無いものねだりの子守歌なのである
一楽章のラトルの演奏は、先日のバッティのただ元気なだけの演奏よりはずっと良いのだが、分析的に過ぎるように聴こえてしまう
全体的にスウィングしていて曲の流れに身を任せて聴きたいと思っているのだが、不毛な話はこの辺で切り上げ、
それでも、5楽章はご機嫌で聴けたので良かった、
聴衆からのブラボーも多かったのだが、ちょっと違和感が、否、音楽祭だからこれでいいのだ

11月27日19時 サントリーホール

指揮:サー・サイモン・ラトル

リゲティ:アトモスフェール
ワーグナー:オペラ『ローエングリン』第1幕への前奏曲
ウェーベルン:6つの作品 Op. 6
ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』より「前奏曲」「愛の死」
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(コールス校訂版)

今秋、円安にも関わらず多くの海外オケが来日したが、どこも似通ったプログラムが多く、大半はスルーした
しかし、ラトルとバイエルン放送響は外せない、そしてラトルはプログラムも流石なのであった

アトモスフェールは2001年に使われたことでも有名だが、正に宇宙空間を想起させる雰囲気を醸し出す演奏だった
続けて演奏されたローエングリンの前奏曲が不思議なほどにぴったりとはまった
今日は聴衆の質が良かった、ラトルの予告なしの試みに対し、途中に拍手をするものも無く、ローエングリンの余韻を味わった後の拍手となった

続くウェーベルンと「前奏曲」と「愛の死」も続けて演奏された、
私はウェーベルンは苦手で、多くの演奏が、ただ音符を起こしているだけの演奏にしか聞こえないのだが、今日の演奏には必然性が感じられた

休憩後はメインのブル9、ここ1,2年補筆版を含めかなりブル9を聴いた、やはり自然がいい、4楽章は要らないと思っている、しかし、あまり良い演奏には出会えていない
実はラトルのブルックナーは全く聴いたことがないので、それほど期待していなかったのだが、
1、2楽章は速めのテンポだが、自然な流れの演奏、一転3楽章は全休止をたっぷりととった実に良い演奏だった
ラトルの構成力にも感心したが、バイエルン放送響の奏者の質の高さには心底感服した、

演奏後にラトルは先ず弦楽器の1stプルトの奏者に次々と握手を求めていた
弦は16と思たが、14,14,12,10,8の構成だった、ソロカーテンコールあり

11月21日19時 サントリーホール

指揮:ディマ・スロボデニューク
ヴァイオリン:ニキータ・ボリソグレブスキー

チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
アンコール
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004 サラバンド
プロコフィエフ/バレエ音楽「石の花」─「銅山の女王」「結婚組曲」
ストラヴィンスキー/3楽章の交響曲

N響のサントリー定期はチケットが取れないと言われているが、今日は天気が特に悪いわけでもないのに、かなり空席が目立った
最初のチャイコンは名曲だが、後半の2曲は演奏がレアなので敬遠されたのだろうか、

さて、チャイコンのソリストのボリソグレブスキーは初めましてだ、演奏には全く問題ないのだが、見た目と同様、音も線が細い感じがした
個人的にはもう少し圧の有る音が好み、伴奏はカデンツァの前のオケの盛り上げなど、演出効果の高い巧みなものだった
オケは14型で、コンマスは長原さん

後半は16型、石の花は初めて聴いたが、冬のロシアの寒々とした風景が浮かぶような音色が素晴らしい、
スロボデニュークの指揮は的確で、プロコフィエフの秘曲の良さをつまびらやかにしてくれた

続けて、3楽章の交響曲、個人的には苦手な曲だが、スロボデニュークの巧みなタクト捌きで、ダイナミックな演奏が展開された
スロボデニュークは、定期には初登場というが、本当に良い指揮者なので、他の曲も聴いてみたい、是非とも再演を希望する
それにしても、フィンランドは人材が豊富だなとつくづく思った