12月1日14時 NHKホール

指揮:ファビオ・ルイージ
ソプラノ:クリスティアーネ・カルク*

ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」─「前奏曲と愛の死」
R. シュトラウス/「ばらの花輪」作品36-1*、「なつかしいおもかげ」作品48-1*、「森の喜び」作品49-1*、「心安らかに」作品39-4*、「あすの朝」作品27-4*
シェーンベルク/交響詩「ペレアスとメリザンド」作品5

12月のN響は3プロともルイージで、おまけに今年は第9もルイージだ、
師走ということで、NHKホールの前では、青の洞窟の準備が進められているようだ

今日はプログラムのせいか、客席の方は若干空席が目立つ、個人的には良い選曲だと思うのだが
最初は名曲中の名曲、トリスタンとイゾルデ─前奏曲と愛の死だが、たっぷりと間を持たせ、情感に富んだ、実に良い演奏だったが、歌唱が入らなかったのは残念だった

続けて、R. シュトラウスのオーケストラ伴奏の歌曲集、滅多に演奏会で聴かれない曲ばかりで、興味津々であった
クリスティアーネ・カルクは初めて聴くが、声量も有り、表情豊かな良い歌手だった、

後半はシェーンベルクのペレアスとメリザンド、作品番号5の未だ12音以前の作品だが、音楽的構造を理解して聴くのが難しい曲だ
ルイージの演奏は、幾つかのライトモチーフを予習して来ただけの素人の私には優しく聴こえた
オケは16型の4管編成でホルンは倍管、コンマスは郷古さん、ステージ上の奏者は100名を超え圧巻だった

11月30日19時 東文小ホール

ピアノ/フォルテピアノ:務川慧悟

ヘルムート・ラッヘンマン:シューベルトの主題による5つの変奏曲
ヘルムート・ラッヘンマン:ゆりかごの音楽
ヘルムート・ラッヘンマン:セリナーデ ピアノのための

シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調 D958
アンコール
ショパン:コントルダンス 変ト長調

フェスティヴァル・ランタンポレルは、現代と古典の音楽がクロスオーバーする新しいプロジェクトとして、野平一郎を音楽監督として今年立ち上げられたという
野平さんがアドヴァイザーを務めるオーケストラ・ニッポニカの演奏会で以前、早坂文雄のピアノ協奏曲を務川さんが弾いており、そうした関係性もあった務川さんも呼ばれたと推察する

早めに上野に着いて仕舞い、喫茶店にでも入ろうと思うが、なかなか店が見つからず右往左往してしまった、
週末はもう少し博物館、美術館が遅くまでやっていてくれたら有難いのだが、そうすれば人気の展示の混雑も多少は緩和できると思うのだが
東文小ホールの外も中も女子トイレに長蛇の列が出来ていた、そのうち務川さんのチケットも入手困難になるかもしれないな

プログラムは前半のラッヘンマンをモダンピアノで、後半のシューベルがフォルテピアノで演奏された、休憩は無し
今回このコンサートに来たのは、務川さんのフォルテピアノを聴いてみたかったからで、正直言ってラッヘンマンには興味は無かった

最初のシューベルトの主題による5つの変奏曲は、変奏曲の体裁をとっており、結構聴きやすい感じだったが、続けて演奏されたゆりかごの音楽は、良く分からない曲だった、
ここで一旦務川さんは退場し、再びピアノに向かって演奏されたセリナーデが、これぞ現代音楽という作品で、上腕で弾いたり、内部に手を挿入して音を出したり、
時計を見るのを忘れたが、そんな忍耐の時間が20分以上続いた、

そして、いよいよフォルテピアノによるシューベルト、何とも音が軽い、それ以上は如何に言葉を尽くしても説明できない
でも実際、シューベルトの時代にはこうした楽器で演奏されていたのだと思うと感慨深いものがある、

務川さんから、アンコールには今回演奏されたフォルテピアノが制作された1825年と同時期にポーランド時代のショパンの曲を演奏する旨が告げられた
聴いたことの無い曲だったが、意外にもフォルテピアノの音質にもマッチしているようにも思えた

11月30日14時  サントリーホール

指揮:パヴェウ・カプワ
ピアノ:セドリック・ティベルギアン

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op.83
アンコール
J. S. バッハ:オルガン協奏曲 二短調 BWV596より(原曲:ヴィヴァルディ)
シューマン:交響曲第2番 ハ長調 op.61

本来は沖澤さんが振る予定だったが、ご懐妊ということで急遽のピンチヒッターが、全く無名のパヴェウ・カプワ
日フィルの紹介文「ポーランド国内で「我が国の指揮界における真の希望」と称賛されたカプワは、 若い世代の最も素晴らしい指揮者の一人であり…」は、何だかな―の紹介文、
さらにピアニストのティベルギアンも、失礼ながらそれほど人気のピアニストでもなかったことも有ってか、客席は若干空席が目立った

ステージに現れたティベルギアンは長身、一方カプワは標準慎重で写真より少年っぽく見えた
ティベルギアンの演奏は模範的なもので、カプワはピアノとのバランスを考えると、ちょっと鳴らしすぎに思える個所もあったが、伴奏としては立派な指揮ぶりだった
演奏者には失礼かもしれないが、普段はブラームスというと身構えてしまうのだけれども、今日は身構えないで聴けたので、心地よく聴けました
アンコールもいい曲だった

後半のシューマンでは、カプワの自在のテンポ設定にピッタリと寄り添った日フィルも見事
最初は緊張の表情のカプワだったが、途中では笑顔を観られ、肩の力が抜けていくのが感じられた
木管楽器はベルアップしていたが、これはシューマンの指示なのか、カプワのなのか?
気になったのは弦楽の構成、ちゃんと数えてないが14型に見えてVlaが8(Vc8,Cb7)にしか見えなかったのだが、

しかし、終わってみればカプワは代役としては十分すぎる程の役割を果たしたと思うし、今後も頑張ってほしい
今回はオケの奮闘が光った、月並みだが前半のMVPはVcの門脇さん、後半はObとFlの両首席です